一般質問の第4問です。
橋本・・・ハラスメントとは、いじめや嫌がらせのことですが、主に、職場でのハラスメントで、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシャルハラスメント(セクハラ)、以前は女性に対することが主でしたが、女性から男性に対することも含まれています。
マタニティハラスメント(マタハラ)では、妊娠・出産・育児に関しての嫌がらせで、これらは3大ハラスメントとも呼ばれ、従業員の心身に深刻な影響を与えています。
このような中、2019年6月5日に、女性の職業生活による活躍の推進等に関する法律の一部を改正する法律が公布され、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正され、2020年6月1日に施行されたことにより、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが、事業主の義務となりました。
また、パワハラに対し明文化され、セクハラやマタハラと同様に相談体制の整備など具体的な防止措置を講じることが義務付けられました。
これらの3大ハラスメントは、職場内など団体内でのハラスメントです。
今回取り上げたカスタマーハラスメント(カスハラ)は、サービスを提供した側が、サービスを受けた側からのハラスメントで、2023年9月に「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」が改正され、具体的出来事として「顧客や取引先、施設利用者等からの著しい迷惑行為を受けた」いわゆるカスハラを原因とした精神障害が新たに追加されました。
これらのことから、最近やけに、カスハラのニュースが目に留まります。
数か月前に、訪問介護事業所を経営する女性の方から相談がありました。
女性スタッフに対し、利用者さんからのセクハラがひどい。
利用者さんは視覚障害のある男性で一人暮らし、出来うることをしてきたが、あまりにも度を超すので、警察や弁護士にも相談をしたこともあった。
これ以上、会社として支援ができない。
ハラスメント系の相談をどこにしたら良いのか調べたところ、厚労省の相談はあったが、もっと身近な所で相談を受けたいとのことでした。
早速、国会議員に相談したところ、1都7県には相談窓口が設置されているが千葉県にはない。
とのことでした。
県議に確認してもらったところ、千葉県労働相談センターはあるが、ここは、会社やアルバイト先での労働時間、賃金、ハラスメント、解雇などで困っている人に対する相談センターでした。
そこで伺いますが、本市において、特に介護関係でカスハラに対する相談は受けているのでしょうか。
また、相談窓口の設置について、何か行っていることがあるのか伺います。
高齢者福祉部長・・・昨年度に市内介護事業所に対して行った船橋市介護人材実態調査におきまして、過去1年間に利用者または家族等からのハラスメント行為が発生したと回答した事業所の割合は約27.7%ございました。
カスタマーハラスメントにつきましては、介護職員等の離職に繋がりかねないことから、その発生予防や防止に関しては重要なことだと考えております。
本市における介護分野でのカスタマーハラスメントについては、事案ごとに個別に相談を受け、国のハラスメント対策マニュアルをご紹介するなど対応・助言をしているところです。
今後も、相談があった場合には、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
また、専門の相談窓口の設置につきましては、地域医療介護総合確保基金を活用して、ハラスメントの相談窓口を設置して頂けるように、昨年度に引き続き県に対して要望してまいります。
橋本・・・千葉市では、医療・福祉の現場で、過剰な支援要求や威圧的な言動など、患者や利用者から専門職に向けた、身体・精神および性的な被害を受けている現状を受け、カスハラ防止について検討する中で、ハラスメントに対するリーフレットを作成し、事業者向けに配布、主に、契約やサービスの説明の機会において、「サービスを提供し難い事由」や「背信行為」を具体的に示す資料として活用。
また、ポスターを作成し、保健福祉センターなどに配布し、市民向けに、介護保険サービスを利用する時に、気を付けるべき行為の周知啓発を行っています。
また、カスハラに関する研修会や事例検討会においても、講師を派遣するなどしています。
本市においても、事業者向け、市民向けにリーフレットやポスターなどを作成し、周知啓発をすべきと考えますが、如何でしょうか。
高齢者福祉部長・・・市では、各事業所を対象に毎年実施している集団指導の中で、国のハラスメント対策マニュアル等を周知するとともに、個別の運営指導等を通して、介護職員の安全を確保した上で、複数の職員で対応するなど、事業所として組織的な対応を図ることや、事業所と家族などとの間で、ハラスメント防止に関することを取り決めておくことが重要であるなどの助言を行っております。
事業者向け、市民向けにリーフレットやポスターなどを作成し、周知する方法につきましては、有効な手段の一つであると考えておりますことから、他市の事例等を参考に、関係部署で協議を行った上で、効果的な周知方法について検討してまいりたいと考えております。
橋本・・・今回は特に介護事業所について取り上げましたが、働く人が、いやな思いをし、精神を病んでしますケースもあり、離職する人もいます。
そのようなことが無いようにしなければなりません。
また、介護現場だけではなく、飲食店等お客からの嫌がらせで、「もう、限界」といって、廃業する自営業者も相次いでいます。
厚労省は、昨年9月、うつ病など精神障害の労災認定基準を改正し、カスハラ被害を新たに追加しました。
また、公務員も被害者となるケースもあるため、人事院は、今年の2月、国家公務員がカスハラを受けた場合、公務災害と認定できるように指針を改正しました。
東京都では、条例制定に向け動いています。
さらに、厚労省では、顧客が理不尽な要求をするカスハラに対し、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)を改正し、企業に対して相談窓口の設置を義務化するなどを検討しています。
カスハラは、度が過ぎると、刑事事件にもなりかねません。
した方もされた方も嫌な思いが残るだけです。国の方でも動きはありますが、船橋市民にとって一番身近な船橋市としても、何ができるのか考えていただくことを要望しておきます。