
8月17日(土)神田で開催された「子ども発達・基礎セミナー」「学校いじめ予防セミナー」に参加しました。
まず初めに「子ども発達・基礎セミナー」では、教育制度について、特別支援学校、特別支援学級、通常学級、インクルーシブ教育について、基礎的な事を学びました。
制度上では、特別支援教育が始まってから、公立小中学校に、特別支援教育校内委員会・特別支援教育コーディネーター・個別の教育支援計画などができました。
制度としては出来上がったものの、質が問われていないため、特別支援教育コーディネーターは特に資格がいらないので、特別支援教育の専門でなくてもコーディネーターになっています。
学校現場やお母さんたちから様々な声が届いているのも無理がありません。
インクルーシブ教育においては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であるとされています。
なるべく通常学級に参加することを目指していますが、必要に応じて、特別支援学校、特別支援学級などその子に合った教育環境を提供すべきです。
その子にあった教育環境で教育を受けさせることが必要です。
発達障害者支援法による発達障害の定義
①発達障害は、普通、自閉症スペクトラム症(ASD)・注意欠陥多動症(ADHD)・学習障がい(LD)の3つを言う。(吃音、発達性協調運動症なども含まれる)
②まとめて発達障害と言われるが、元々、別の障害
③ただし、「脳の機能障害」であること、通常、低年齢で発現することは共通している
④どれも「脳の機能障害」であるため、重なり合う事が多い
大切なことは、発達障害は、脳の機能障害のため、親のしつけ不足や本人の努力不足ではありません。
見かけでは分からないことが多く、本人も自覚がない場合が多く、親や支援者も、知識がないと正しく理解ができません。
自閉症スペクトラム症(ASD)は、アスペルガー症候群、高機能自閉症、広汎性発達障害などと言われていたのが、2013年に自閉症スペクトラムと名称が一本化されました。
そして、自閉症スペクトラムは2歳前後で見つけられ、早期に支援することで、軌道修正ができると言われています。
注意欠陥多動症(ADHD)は、片づけられない、忘れ物が多い、やりっぱなしが多いなどの不注意。
また、じっとしていられない、もじもじそわそわしている、過度なおしゃべりなどの多動。
順番が守れない、思いついたら他人の話を遮ってしゃべりだす、怒ると乱暴になるなどの衝動性。
これらは薬物療法がきき、5~7%位は、小学校高学年位までに自然治癒するとも言われています。
しかしうまく支援できないため、注意欠陥多動症(ADHD)となる可能性もあるそうです。
学習障がい(LD)は、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するなどに困難を示すものです。
発達障害は脳の機能障害です。脳の発達は、生後すぐに始まり20代半ばまで続きます。脳が発達する時期に、必要な支援を受けると、脳機能そのものが改善することが期待できるそうです。早期発見、早期支援に大きな可能性があります。
何か問題が起こってから、発達障害に気づき、支援が始まるパターンがよくありますが、早期発見と早期支援が大事であると言うことを学びました。
次に「学校いじめ予防セミナー」では、いじめに関する法律、制度の現状。いじめを科学的に捉えるとどうなるか。いじめへの具体的な対応について学びました。
いじめはどんな学校、どんな学年でもおきている。
いじめ防止対策推進法では、いじめの定義として
①行為があること・・・心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)
②被害者が心身の苦痛を感じていること・・・対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの
③加害者も被害者も児童生徒であること
④一定の人間関係にあること
いじめの加害者
いじめの被害者
いじめの傍観者
すべての子ども達が、成長し社会に出ます。いじめが原因で引きこもりや精神疾患、犯罪、自殺などに至らないように、先ずは何ができるか、真剣に考えなければなりません。
難しいテーマでしたが、セミナーに参加し、様々考えさせられました。
8月6日(火)7日(水)に、FURE相双地域支援サテライトの職員の方の案内で、富岡町・ふたばいんふぉ・福島第二原子力発電所・双葉町・浪江町・大熊町・廃炉資料館を視察しました。
6日(火)
帰還困難区域と避難解除区域が入り混じる富岡町では、このような看板があちらこちらに見受けられました。
帰還困難区域では、解体の手が届かず、空き家が当時のままです。
案内をして下さった方の家では、新築2年で災害に遭われ、日本庭園もありましたが、今では、庭園の跡形もなく草木が生え放題でした。
また、猪が繁殖しているため、仕掛けが置かれています。
帰還困難区域のため、ハンターも入ることができず、埋めたり、焼却ができず、国の予算で、バイオ菌を使い、繁殖を抑えています。
10年後に、解除される見通しですが、田畑があっても、作物や販路が心配で、自然減退していくのは目に見えています。
生まれ育った方は、戻りたい思いが強く、特に高齢者の方は、家には戻れないことを受け入れるまでに、時間を要しているそうです。
思い出の品を、少しずつ処分しているという話を聞き、私たちが思うほど、簡単な事ではないと、改めて感じました。
自宅の解体は、国に申請した方は、国が行いますが、アナウンスされた時に、病院や避難されていた方の中には、締め切りまでに申し込めなかった家もあるそうです。申し込みができなかった家は、解体できずにそのまま空き家になる可能性が高いとのことで、新たな問題が発生しそうです。
また、新たに建て直すには、自費のため、ローンが残っている人にとっては、新たなローンが発生し、新築するにも大変なご苦労があります。
「ふたばいんふぉ」は、双葉8町村の現状を共有し、広く伝えるために、民間団体の双葉郡未来会議が運営者となって開設されました。
代表の方から、震災当時の状況やその後の双葉郡の状況を、映像と共にお話を伺いました。
垂れ幕は、代表の方が、作成し、道路に掲げた所、これを見た多くの方が、勇気をもらい頑張ってきたそうです。
国道6号線から夜の森公園に通じる道には、樹齢100年のソメイヨシノが並ぶ見事な桜並木があります。
桜の開花を調べる開花基準木です。
午後からは、福島第二原子力発電所へ行き、震災から現在までの発電所の状況を伺い、構内を視察しました。
2019年7月31日に、福島第二原子力発電所の廃炉に向けた基本方針が示されました。
①人的リソースの確保・・・全4基を40年かける
②安全な廃炉・・・使用済み核燃料(約1万本)全て県外に搬出する
③地域の産業振興に向け貢献・・・地元企業が参画できる機会を設ける
40年かけて廃炉になりますが、最終処分地はまだ決まっていません。国が責任を持って決めて欲しいです。
7日(水)
楢葉町は車窓からの視察です。
信号機はほとんど使われていません。
楢葉町は、震災前は約6,900人で約54%の方が住んでいますが、その内の約400名は、支援のために他から移住をしてきた方だそうです。
帰って来た方の多くは高齢者で、子どものいる世帯はほとんど帰って来ていないとの事。
小中学生は109人。子ども園は85人。
富岡や浪江では、16人全てが、支援者の子どもで、住民は0人。
小中学校はあるものの、生徒が少ないため、今後外部からの人をどう呼び込むのかが、課題となっています。
楢葉町では、原発立地のため、国からの助成金が入り、箱物が多くあるものの、運営費や維持管理費が高く、人口が増えないと維持が厳しい状況です。
今後の大きな課題の一つです。
浪江町では、被災された請戸小学校へ行きました。
請戸小学校は、海から300m離れているため、津波の防災訓練は行っていなかったようです。
当日は2階の天井まで波がやってきました。
2㎞離れた高台に逃げたそうです。
その高台に、避難勧告が解除されて直ぐに、町営の大平山霊園を作りました。
ここでも、猪でした。
草の所には、猪のフンがあるため、出来るだけ歩かないように注意がありました。
大山霊園から請戸港に行く道路ですが、断層のずれで、中央線がこんなにもずれてしまいました。
請戸港では、9月にオープン予定に向けて工事が進められていました。
現在は10~15隻の船で、水揚げされた魚を、トラックで、相馬漁港に届けられています。
仲買人も1社決まったそうです。
浪江・富岡では、10港全て再開されています。
試験的にサンプリングを行い、200種が解除されました。
国では100ベクレルを基準としていますが、漁港ではさらに厳しい50ベクレルにし、安全に力を入れています。
漁師の方は、小型船で日帰り漁ができ、国から8割の補償がありますが、1次2次産業の仲買人や加工品を扱っている方には補償がないとの事でした。
一日も早い再開が求められています。
新しくなった大熊町役場に行きました。
大熊町では、農地を公営住宅にし、新しいまちが出来てきていました。
最後に、東京電力の施設・中間貯蔵工事情報センターを視察しました。
福島第一原子力発電所の事故当時の状況や廃炉に関する事を学びました。
汚染水は国基準の安全値よりもさらに安心な高い数値を示していますが、最終処分をどうするのか、30年以内に決めると言っていますが、課題はまだまだ沢山あります。
実際に足を運び、被災地を目の当たりにし、復興に尽力されている方の話を伺い、何ができるのか考えさせられました。
それぞれの立場で、多くの方が頑張っています。被災された地は元通りにはなりません。
新たなまちに生まれ変わります。複雑な気持ちの方も多いと思いますが、一日も早い復興を祈ります。
7月28日(日)松戸市東倫理法人会主催のイブニングセミナーに参加しました。
講師は、ベネッセコーポレーションの『こどもちゃれんじ』の初代編集長で、『しまじろう』を開発した「水野次郎」氏です。
2009年には、民間人校長として千葉県教育委員会に採用され、中学・高校の校長を9年間勤め、現在ではキャリアコンサルタントとして、大学や高校に勤め、学生や生徒のキャリア支援を行いながら講演会活動等、活躍されています。
『しまじろう』が生まれるまでの経緯を通して、さまざまなことを教えてもらいました。
『しまじろう』はなぜ、とらでなければならなかったのか。幼児が好きな動物は、男の子は、象やライオンなど大きな動物。女の子は、犬や猫、うさぎなどかわいい動物。その中には、とらは下位であったそうですが、考えても答えが出ないことは、直接、幼稚園に足を運び、子ども達に選んでもらったそうです。⇒現場主義。
トップダウンではなく、みんなの意見を聞き、知恵を出し合う。⇒ファシリテーションが大事。教育者や時代の最先端に求められている。
専門知識・市場調査・保護者理解・子ども観察などコンセプトをもとに、意見を引き出すことが、大切。
作者や画家など、一流の人は、お金に困っていないので、コンセプトが伝われば、協力をしてくれる。
ある画家の言葉です。「人の命と草花の命とは、全く同じ重さである。自然は美しいから美しいのではなく、愛するから美しいのです。」
今、なぜコミュニケーション能力が求められているのか。
日本人の表現は、とても豊かで、奥行きがあります。
生活習慣の変化で、「話す・聞く・書く」が変化をしている。
コミュニケーション阻害語で、「ムカつく・うざい・チョウ~・やばい」等、自分の気持ちを表しているが、相手との適切な関係を築くには、網の目が粗い。
情緒や感情を豊かな言葉で取り交わす必要がある。
価値観の多様性の今日では、権威的なリーダーシップでは、ダメである。
問題が高度化・複雑化しているため、特定の専門知識だけではなく、複数の専門性を掛け合わさないとダメである。
そのためには、人々の能力を最大限に引き出す、ファシリテーションが求められている。
『しまじろう』が生まれるまでを通して、求められている事、何が必要なのか、とても勉強になりました。
私自身も、様々な考えや意見を持つ方と対話をする中で、コミュニケーション能力を向上させなければならないと思いましたし、さらには、それぞれが持つ能力をいかにして最大限引き出すことができるのか、学びました。