共育コラム
2024年 03月 30日

市販薬や処方薬を、過剰に摂取をすることを「オーバードーズ」といいます。

ここ数年、「オーバードーズ」で、救急搬送される若者や女性が増えています。厚労省が、令和2年1月から令和5年6月までの約3年半を対象に、調査したものによると、どの世代も、圧倒的に女性が多く、中でも、10代~20代が多くなっています。

生活習慣の特徴では・・・睡眠時間が短い、朝食を食べない、インターネットの使用時間が長い。

学校生活では・・・学校が楽しくない、親しく遊べる友人や相談できる友人がいない。

家庭生活では・・・親に相談できない、大人不在で過ごす時間が長い、家族との夕食頻度が少ない、コロナ禍で自粛生活によるストレスなどが挙げられています。

また、この世代は、やせたい・きれいになりたいなどの願望もあり、過食・摂食を繰り返し、体調を壊す人も見てきました。

国立精神・神経医療研究センターの2020年調査によると、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10代の患者の主な薬物は、市販薬が全体の56.4%を占め、過去1年以内に、市販薬の乱用経験がある高校生の割合は「60人に1人」と、深刻な状況であることが分かりました。

市販薬を過剰摂取することで、疲労感や不快感が一時的に解消される場合があり、一度薬がきくと、さらに同じような状況になった時、同じ効果を期待して、過剰な摂取を繰り返し、肝機能障害や重篤な意識障害、呼吸不全など重篤な健康被害を招くおそれもあります。

さらには、心肺停止で死亡する例も発生しています。

薬物乱用といえば、違法薬物、大麻や覚せい剤などを思い浮かべますが、咳止めや風邪薬・解熱剤・鎮痛剤・抗アレルギー薬・カフェインなどの眠気防止薬などの過剰摂取も含まれます。

これらの薬は、医師が診察し薬を処方する必要はなく、また、薬局などでも薬剤師による対面販売は必須ではなく、インターネットでの購入、ドラッグストアが、あちらこちらに見受けられる今の時代では、いとも簡単に、大量購入が可能です。

これらの背景には、社会的孤立や生きづらさなどが挙げられます。

船橋市では、気軽に相談ができるように、SNS相談を行っています。

一度登録をしておくと、定期的に、受付時間等が送られてきます。(以下のQRコードから申し込みできます。)

SNS相談@船橋(市内在住・在勤・在学)

365日受付

月~金 午後5時~9時 

土日祝休 午後1時~5時

また、薬の依存や心の問題を抱える人への相談窓口として、こころの相談窓口があります。

様々な悩みを抱える人やその家族からの相談も受け付けていますので、ぜひ、ご利用ください。

こころの相談(船橋市保健所)

047-409-2859

平日の9時~17時

眠れない・気力がなくなった・アルコール・ギャンブル・自殺に関する不安等の精神保健相談

船橋市では、オーバードーズなどの薬物乱用防止の啓発として、ホームページや広報の他「ダメ。ゼッタイ。」普及運動実施期間において、街頭キャンペーンの実施。ふなばし健康まつりの場等で、啓発を行っています。

また、薬の依存や心の問題を抱える人への相談窓口として、こころの相談窓口を開設し、様々な悩みを抱える人やご家族からの相談を受け付けています。

これらの取り組みは、広報ふなばしや市のHP等により周知されています。

しかしながら、社会的孤立や生きづらさを抱え、現実逃避や不安解消などのために薬の過剰摂取という手段をとってしまう人の世代として、10代20代の若い人が多い状況がありますので、若い人の情報源として活用が多いFacebookやXなどのSNSを利用するなど、より一層の周知を求めました。

この他にも国や県など様々な相談窓口もあります。

決して一人で苦しまないでください。誰かに相談してください。

大切ないのちです。