共育コラム
2024年 04月 13日

平成29年より取り組んできた「再犯防止推進計画」が出来上がりました。

以下からご覧いただけます。

https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/fukushi/014/p124112_d/fil/keikaku.pdf

以下は、議会での質疑です。

平成29年第1回

橋本・・・再犯防止についてお伺いをいたします。
新聞やテレビなどで毎日のように犯罪や非行に関するニュースが報道をされております。

罪を犯した人が再び罪を犯さないように支援をしている人たちがおります。

余り知られておりませんけれども、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支えるボランティアの保護司、刑務所出所者等をその事情を理解した上で、雇用する事業主の協力雇用事業主、行き場のない刑務所出所者等に対し、宿泊場所や食事の提供、就労指導等を行う更生保護施設や一時支援の自立準備ホーム、女性としての立場から地域の犯罪予防など、多様な活動を展開しているボランティアの更生保護女性会、また、兄や姉のような立場で少年の自立を支援する成年ボランティア──BBSなどがあり、さまざまな立場の人が支援をしております。

最新の犯罪白書によると、検挙された刑法犯に対する再犯者の割合は年々ふえ続け、2015年は過去最高の48%に達しておりました。

これは罪を犯した人が社会に戻ってきたときに、仕事や住む場所がないために再び犯罪に手を染めてしまう人が後を絶たないことを示しております。

出所者らの社会復帰の支援を強化するため、国と地方自治体に再犯防止策を総合的・計画的に進めるようにさせ、必要な施策や財政支援を行うための再犯防止推進法が、議員立法で昨年12月に成立をいたしました。

この推進法では、政府に再犯防止推進計画の策定と実施を義務づけております。

計画には、刑務所などでの教育や職業訓練の充実、出所者らの仕事や住居の確保などに関する施策を定めるように規定をし、5年ごとに見直しをすること、さらには各自治体にも同計画に基づき、地方版の計画を定める努力義務が課せられております。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を視野に、国では治安に関する重要課題の1つとして、この刑務所出所者等の再犯防止対策を取り上げております。

そこで、お伺いをいたしますけれども、本市としても多くの観光客や海外からの人をお迎えするために、さまざまな取り組みをしております。

努力義務ではありますけれども、地方版の計画を定めるべきと考えますが、どのようにお考えかお伺いいたします。

市民生活部長・・・平成28年12月14日付で公布、施行されました再犯の防止等の推進に関する法律、いわゆる再犯防止推進法に基づき、国では今後、再犯防止推進計画を策定する予定となっております。

議員ご指摘のとおり、都道府県及び市町村においても、国の計画を勘案し、地方再犯防止推進計画の策定に努めるほか、国との役割分担を踏まえて、地域の状況に応じた施策を講じる努力義務が課せられております。

このことから、本市といたしましても、国や県の動向を注視し、再犯防止等に関する施策について、調査研究してまいりたいと考えております。

橋本・・・1月に会派で、水戸にある茨木就業支援センターを視察してまいりました。

ここは、農業によって、再犯しないように、刑務所等を出た後に、農業で生活ができように支援をしています。

船橋市の農家さんに取り組みを紹介してみましたが、厳しい点もありました。

一人でも多く、再犯しないように取り組んでいく必要がありますので、色々と考えてみます。

平成30年第1

橋本・・・再犯防止について。これは要望させていただきます。

201612月に、議員立法で成立、施行された再犯防止推進法に基づいて、推進計画が策定をされました。

同法は、犯罪をした者と非行少年を含め、社会で孤立することなく国民の理解と協力を得て、社会復帰ができるように支援することを基本理念に掲げられております。

政府は、犯罪対策閣僚会議に、再犯防止対策ワーキングチームを設置して、社会復帰のあり方にも検討を加え、仮釈放後の保護観察期間に行う職探しなどの出口支援とともに、検察が不起訴や起訴猶予者に対して、必要に応じて社会復帰の道を示す入口支援の充実も進めることになりました。

社会復帰支援には、国だけではなく、地方公共団体と民間団体との連携、協力が欠かせません。

さらに、国民の関心と理解も必要です。

推進計画の中に、学校等と連携した就学支援の充実のための取り組みがあります。

具体的には、いじめ防止のための教育や人権啓発のための教育とあわせ、再非行の防止の観点も含め、学校における非行防止のための教育、薬物乱用未然防止のための相談・指導体制の充実、また、学校生活を継続させるための本人及び家族等に対する支援や、やむを得ず中退する場合の就労等の支援の充実を図る。

地域における非行の未然防止等のための支援で、非行等を理由とする児童生徒の修学の中断を防ぐため、貧困や虐待等の被害体験などが非行等の一因になることも踏まえ、地域社会における子供の居場所づくりや子供、保護者及び学校関係者等に対する相談支援の充実、民間ボランティア等による犯罪予防活動の促進、高等学校卒業程度資格の取得を目指す者への学習相談、学習支援など、児童生徒の非行の未然防止や深刻化の防止に向けた取り組みを推進するとあります。

以前にも取り上げさせていただきましたが、本市においても、再犯防止推進計画を立ててほしいと思います。

また、出口支援の1つとして、地方公共団体において、保護観察対象者を非常勤職員として、6カ月間雇用する取り組みが全国で行われております。

千葉県内では勝浦市、千葉市、四街道市、佐倉市、酒々井町、成田市、銚子市が取り組んでおります。未来ある少年少女のために、本市でも取り組んでいただくことを要望させていただきます。

令和2年第4回

橋本・・・再犯防止についてお伺いをいたします。

罪を犯した人が再び罪を犯さないように、支援をしている人たちがおります。

あまり知られておりませんが、犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支えるボランティアの保護司、刑務所出所者等をその事情を理解した上で雇用する事業主の協力雇用主、行き場のない刑務所出所者等に対し、宿泊場所や食事の提供、就職指導等を行う更生保護施設や一時支援の自立準備ホーム、女性としての立場から、地域の犯罪予防など、多様な活動を展開しているボランティアの更生保護女性会や、兄や姉のような立場で少年の自立を支援する青年ボランティアBBSなどがあり、様々な立場の人が支援をしています。

このような方がいることを紹介し、平成29年第1回定例会で、再犯防止等に対する施策について伺ったところ、国や県の動向を注視し、調査研究するとのことでした。

平成30年第1回定例会で、再犯防止推進計画を策定してほしいと要望しましたが、その後、策定に至っているのかお伺いをいたします。

福祉サービス部長・・・現在、千葉県では、県の再犯防止推進計画の策定に先立ち、法務省からの委託を受け、犯罪や非行した人が社会復帰をする際に、切れ目のない生活支援などを行うための取組をモデル事業として進めております。

このモデル事業推進のための千葉県再犯防止に向けた更生支援推進協議会には、本市も委員として参加をしております。

千葉県は今年度のモデル事業終了後に、再犯防止計画の策定を行うこととしております。

本市といたしましては、出所後に船橋市に住むことを希望する方などに、行政サービスを含めた適切な支援を行うためには、市内で活動していただいている支援団体などとの連携が重要であると考えております。

また、施策の整合性を図っていく観点から、国や県との連携も欠かすことができないと考えております。

このようなことから、支援団体をはじめとする関係者のご意見を参考にしつつ、また、千葉県の計画を踏まえて、本市における再犯防止推進計画を策定していきたいと考えております。

橋本・・・法務省が公表した2019年版の再犯防止推進白書によると、2017年に刑務所を出所後、2年以内に再び罪を犯して入所した再入率は16.9%で、高齢者ほど再入率が高く、65歳以上の再入率は22.3%に上っています。

なぜ、高齢者が犯罪を繰り返すのか。指摘されているのは、出所しても仕事が見つからず生計が成り立たない、頼れる家族がいないなどで、仕事や住まいの確保が思うように進まない中で、窃盗などを犯し、刑務所に戻るケースが多いと言われております。

また、刑事施設に収容される受刑者数は、全体では減少傾向にあり、特に初めて入所する初入者は次第に減っているものの、再入者はあまり減っておりません。入所者全体に占める再入者の割合は、2004年から毎年上昇し続けており、2016年には59.5%ともなっております。

このような状況から、犯罪のない、安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、刑事施設や少年院を出た者による再犯や再非行を防止することが重要な課題となっております。

私が思うに最も大事なのは、就業の確保ではないかと考えております。

例えば、地方公共団体において、保護観察対象者を非常勤職員として6か月間雇用する取組が全国で行われております。

本市においても、市役所での採用も含めて、雇用の機会を確保する取組が必要と思いますが、いかがお考えかお伺いいたします。

福祉サービス部長・・・議員ご指摘のとおり、犯罪や非行から立ち直りを目指す人々が社会復帰を果たすためには、仕事や住まいの確保はとても重要なことと考えております。

中でも仕事ー就業の機会の確保につきましては、現在、保健と福祉の総合相談窓口さーくるで、刑余者の方に対しても、自立に向けた相談支援の一環として行っておりますが、今後さらなる就業の機会の確保に向けて、市としてどのような支援ができるのか、考えていく必要がございます。

ただし、刑余者の方が就業し、仕事を継続していくためには、その方のご経験や特性によってどのような仕事が用意できるのか、また、受入れのためにどのような備えが必要かということも検討しなくてはなりません。

まずは保護司会などからお話を伺い、その上で、さーくると、また、民間雇用主会との連携を図るなど、民間企業とのネットワークの構築に努めるほか、市の関係部署とも協議をしてまいります。

橋本・・・日頃から刑務所出所者等の就労支援にご尽力いただいている協力雇用主の方々の存在が欠かせません。

県に登録をされている市内の協力雇用主は16社あります。

事業主の方々の熱い思いと、その高い志に報いるためにも、事業主の方々への支援策を充実させる必要があります。

その1つとして、協力雇用主に対し、入札参加資格審査や総合評価落札方式における加点制度等の優遇措置を行っている自治体があります。

本市においても、まずは、入札参加資格審査における加点について、優遇措置制度ができないかお伺いをいたします。

企画財政部長・・・協力雇用主に対する入札参加資格審査における優遇措置についてお答えします。

本市では、建設工事の入札参加資格審査において、経営事項審査の総合評定値に加え、主に市内業者に対し、過去の工事の成績や障害者雇用、子育て支援等の項目について、市独自の加点をし、その合計点で業者の格付をしております。

現在のところ、保護観察所への協力雇用主の登録について加点をすることとはしておりませんが、本市の再犯防止推進計画の策定が進められることから、入札参加資格審査の更新において加点することを検討してまいります。

橋本・・・検討のほう、よろしくお願いいたします。

この入札参加資格審査における加点制度ができれば、新たな協力雇用主が増えることも期待をされますので、再犯防止推進計画を策定してからではなく、今からでもできることは取り組んでいただき、市全体で再犯防止に取り組むよう要望をいたします。

入札参加資格審査の更新において加点することは、2019年度から、実現しています。

令和6年第1回定例会でも取り上げました。

橋本・・・船橋市における刑法犯認知件数、市民安全推進課の資料によると、令和4年12月末現在で、3,118件、令和5年12月末現在では3,254件と微増しています。

犯罪や非行をした人の多くが、刑務所や少年院等に入り、事件への反省を踏まえて、生活を立て直し、地域に戻ってきますが、再び犯罪や非行をする人も少なくありません。

再犯をする人の多くが、住むところが無い、年齢にもよりますが、働くことができずに、収入が無いなどが挙げられています。

また、知的障害など生きづらさを感じている人、地域で孤立しないようにすることも大切で、保健や福祉サービスにつなげることも重要です。

このような中、再犯防止推進計画がまもなくできあがると思いますが、 素案の時に、じっくり読み、何点か確認をさせていただきました。

今回、計画を策定するにあたり、関係する部署において、何か変化があったのか、具体的な事業等があるのか、お伺いいたします。

福祉サービス部長・・・今年度、船橋市再犯防止推進計画を策定するにあたり、外部委員で構成する策定委員会のほか、健康福祉局長を委員長とし、福祉部署、福祉以外の部署も含め部課長級を構成委員とした庁内検討委員会を組織し、計画策定に向けて進めてまいりました。

これまで庁内検討委員会を3回開催し、計画策定の必要性や、各部署が行っている事業が再犯防止につながっているという認識の共有を図るとともに、保護観察官や保護司、住宅確保要配慮者居住支援法人の方からの講話を聞く機会を設け、出所者に直接支援を行っている方からの現場の話を聞き、職員の意識の向上を図りました。

再犯防止を進めることは、誰もが安心して生活できる社会の実現のために必要なことであるということを改めて意識し、各所管の事業を見つめなおすきっかけになったと考えております。

具体的な事業としましては、まずは「住まい」は重要であると考えますので、令和6年度からは、生活困窮者の自立のために、宿泊場所等の提供を行う一時生活支援事業の対象を拡大し、出所者の一時的な住まいとしての利用も検討しているところです。

今後につきましても再犯防止推進計画を推進する中で、関係者の意見を伺いながら必要な支援等について考えてまいります。

橋本・・・再犯防止のためには、出所後の住むところが大切なわけですが、生活困窮者自立支援の宿泊場所を提供する、一時生活支援事業の対象拡大で、出所者利用も検討していることは、とても評価します。

また、来年度予算で、計画に基づき再犯防止等に関する施策を推進するために「(仮称)船橋市再犯防止推進ネットワーク」が設置され、犯罪をした人等を、継続的に支援することが盛り込まれています。

保護司は、保護観察官と協働して、保護観察になった人を、地域で支えています。

また、刑務所等に入っている時に、戻ってきた時の住まいとともに受け入れてくれる人がいるのか、生活環境を整えたりします。

保護司の他にも、更生保護女性会、非行などの少年たちに、身近な存在として接する青年ボランティアのBBS会、刑務所出所者など、その事情を理解した上で雇用し、更生に協力する民間事業主の協力雇用主など、様々な人が関わっていますが、満期で出てくる場合は、よほどのことがない限り、行政としても知りえることは出来ません。

本人が、刑務所等にいる時から、何らかのSOSを出したり、本人から保護観察所に相談があれば、保護観察官が関わることができます。

このような中、予定されている、ネットワーク会議では、どのようなことを話し合うのか。

また、市の取り組みを、保護司をはじめ、更生保護に関わっている人達に知らせるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

福祉サービス部長・・・このネットワークでは、今年度計画の策定に携わっていただいた策定委員会の学識経験者、保護司や保護観察官などの委員を基本として、そのほか、住宅確保要配慮者居住支援法人や矯正施設など再犯防止の推進に必要と考えられる分野の委員を新たに加え、支援を届けられるような仕組みについて議論していただくことを想定しております。

今年度実施した策定委員会の中でも、出所者支援の過程で相談先に困ったときに、どこに繋いだらいいかわかるようなガイドブックを作成し、出所者本人や更生保護に関わっている人、刑務所や少年院にお届け出来れば、出所後に孤立してしまう人を少しでも必要な支援に繋げられるのではないか、とのご意見もございました。

市といたしましても、ネットワークの中で委員からご意見をいただきながら、属性や事例ごとの相談先、事務の流れをまとめたガイドブックsなどの作成を検討し、出所者支援に必要なサービスの内容を周知することにより、出所者はもちろんのこと、出所者を支援する方々へのサポートにもなると考えているところでございます。

橋本・・・ネットワークの中で、出所者を支援するために、困った時の相談先や支援が分かるようなハンドブックを作成し、出所後の孤立を防ぎ、支援に繋げるとのことですので、よろしくお願いいたします。

このような議論を重ねながら、今回、「再犯防止推進計画」が出来上がりました。