一般質問の第2問です。
橋本・・・様々な物が、便利に届く社会、当たり前のようにネット注文で、注文した物が翌日届くサービスを当たり前のように利用する自分がいます。
それを配達するトラックドライバーの皆さんの事を考えずにいました。
自動車運転者の長時間労働を防ぐことから、厚生労働大臣告示の改善基準告示が、2022年に改正され、2024年4月1日から施行されました。
これは、トラックドライバーだけではなく、バス、ハイヤ・タクシーなどの自動車運転者について、労働時間等の労働条件の向上を図るための拘束時間の上限、休息時間について基準が設けられ、自動車運転者の健康確保等の観点から改正されました。
特にトラック業界では、労働時間が短縮され、輸送能力が不足し、物が 運べなくなる可能性が懸念されています。また、ドライバー不足を深刻化させるなど社会問題となっています。
国土交通省のHPから引用させていただきます。
現在の形態の宅配便のサービスが開始されて約50年が経過すると言われていますが、近年のEC(Electoronic Commerceの略)電子商取引の拡大により、平成22年度は約32.2億個だった宅配便の取り扱い個数は、令和4年度には約50.6億個と急速な伸びを示しています。
その一方で、令和5年度10月期のサンプル調査の結果では、約11.1%が再配達になっています。
再配達はトラックなど、自動車を使って行われる場合がほとんどですが、この約1割にのぼる再配達を労働力に換算すると、年間約6万人のドライバーの労働力に相当します。
また、再配達のトラックから排出されるCO2の量は、年間でおよそ25.4万トン(令和2年度国交省試算)と推計されていて、宅配便の再配達は地球環境に対しても負荷を与えています。
今、私たち一人ひとりが出来ることは何かを考えた時、再配達の削減に取り組み、確実に受け取れる日時や場所を指定する。宅配ボックスやロッカーの利用、置き配を推進する。などが挙げられます。
議会報を配っていると、最近の住宅街では、宅配ボックスを多く見かけるようになり、我が家でも設置しました。
このような中、市民の方から、「テレビで見たのですが、八王子市や佐世保市では、置き配バックを市民に無料配布しているけれども、船橋市でもやってほしい、そうすれば、少しでも、CO2の削減や、ドライバーの負担が減るのではないか」と言われ、諏訪市・一宮市を含め、調査係にお願いをして調べてみました。
テレビでやっていた八王子市では、10,000個を市民に無料配布。佐世保市は、月2回以上宅配受け取りを行っている世帯1,500世帯に無料配布。
諏訪市は、500名を上限にモニターを募集し、478名が参加。一宮市では、アンケートに協力できる世帯3,000世帯。
アンケート結果が公表されているところでは、利便性や脱炭素社会への貢献など良い点があるものの、置き配バック、イコール留守と認識されるなどの懸念もありました。
また、宅配事業者からは、働き方改革や業務効率化などが挙げられたほか、表札等で名前が確認できないと誤配の恐れもあり、名前が確認できるという条件が必要。との声もありました。
一概に良い物とは言えないかもしれませんが、それでも、市民の意識は向上し、働く側の負担も軽減されます。
本市においてはどうなのか調べたところ、昨年、船橋市ゼロカーボンシティ推進地域協議会で、置き配バックを体験するキャンペーンが実施されました。
これは、「再配達防止キャンペーンで、簡易宅配ボックスが当たる!」というものでした。モニターを20名募集したところ130名を超える応募があったようです。
そこで伺いますが、他市では、1桁2桁も違う数で、実証実験を行いましたが、20名とした根拠やアンケート結果が集計されていれば、その結果を踏まえてのご見解を伺います。
環境部長・・・昨年9月に実施しました「再配達防止キャンペーンモニターの募集事業」につきましては、市民団体・事業者・大学等が協働で地球温暖化対策に取り組む、船橋ゼロカーボンシティ推進地域協議会が作成した18のアクションの1つである「宅急便の再配達を防止しよう」の周知啓発と、地球温暖化対策に関する市民の意識向上を図るため、ということでこの規模で実施したものと聞いております。
事業の実施にあたっては、告知ポスターやチラシで再配達の現状を周知することができ、一定の効果があったと考えていますが、モニターアンケートについては、まだ集まりきっていませんので、その内容を精査したいと考えています。
橋本・・・共働き世帯や子育て世帯、一人暮らしなど、生活環境が変化する中で、宅配サービスは、必要不可欠なものです。
働く側の負担軽減はもちろんですが、本市においても、市民の意識向上のために、無料の置き配バックもしくは、宅配ボックス購入費助成をしてほしいと思いますがいかがでしょうか。
環境部長・・・再配達の防止の取り組みとなる置き配バックや宅配ボックスにつきましては、家庭で身近にできる温暖化対策として、また、物流における温室効果ガス排出量の削減対策としても寄与すると認識していることから、購入費の助成につきましては、モニターアンケートの結果も踏まえ、他自治体の動向に注視し、研究して参ります。
橋本・・・モニターアンケートの結果を踏まえ研究するとのこと、前向きな検討をしていただくよう、よろしくお願いいたします。