共育コラム
2017年 10月 05日

厚生労働省と各都道府県では、10月1日~11月30日まで「麻薬・覚せい剤乱用防止運動」を実施します。

この運動は、麻薬・覚せい剤・危険ドラッグなどの薬物による危害を広く国民に知らせるものです。

薬物乱用による弊害の根絶を図ることを目的としています。

特に、問題視されているのが、「危険ドラッグ」。「合法ドラッグ」「脱法ドラッグ」などといった言葉に、あたかも無害であるかのように思われますが、大麻や麻薬、覚せい剤など同じ成分が含まれているため、心身への深刻な影響や依存性がある点では、他の薬物と変わりがありません。

2014年には、危険ドラッグが原因で、乗用車が暴走し、8人が死傷する痛ましい事故が起こりました。

最近では、このような危険ドラッグに手を出してしまう若者が増えています。

2013年の危険ドラッグ事犯の検挙人員が176人だったのに対し、2014年は840人、2015年は1196人と増加の一途をたどっています。

このうちの10代、20代が3割を占めている現状に、心が痛みます。

法規制をかいくぐり、次々と新しい危険ドラッグが出回り、インターネットや繁華街の店舗などで簡単に購入できてしまうことが、若者層への拡大を招く要因となっています。

善良で真面目そうに見える若者が、周囲が気付かないうちに、ドラッグに手を出してしまう事例もあります。

自分の身近に潜む危険であることを肝に銘じ、警戒心を高めましょう。

私は、我が子に、「薬物には、絶対に手を出してはいけない」と、うるさく言ってきました。

国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部によると、薬物に手を出しやすい10代の特徴として、「自傷経験がある」「周りの人(親・教師・友人)を信用していない」「自尊心が低い」などの点を挙げています。

自信をなくし、周囲から孤立するために、自分は不完全であり、何も満足にできない。自分は無価値だと自己嫌悪感を抱いてしまい、それらを紛らわすために、薬物に手を出してしまう恐れがあります。

価値のない人なんていません。

『自分の事を思ってくれる人がいる』そう思える人は、必ず立ち上がることができます。

お互いに励ましあいながら、孤独にしない。

親が気が付かないこともたくさんあります。多くの大人が、子どもたちに声をかけたり、話を聞いてあげながら、あなたのことを見守っているよと。

人と人の触れ合い、励まし合うことは、孤独の闇を照らす灯台です。

不幸な事件・事故を起こさせないためにも、目の前の一人を大切にして参りましょう。