令和2年1月にオープンした「子育て世代包括支援センター【ふなここ】」は、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行います。
対象は、妊婦さんと18歳までの子どもと保護者の相談に応じ、必要に応じて医療・子育て支援・学校などの関係機関と連携しながら相談に応じる窓口です。
保健師・助産師・保育士・心理士に加え、教員経験者を配置し、子ども本人も安心して相談ができるようにしました。
また、教員経験を活かした相談対応がスムーズになり、学校側からの相談も受けるなど、母子保健事業との情報共有が深まったと言われています。
平成27年第1回定例会で初めて「子育て世代包括支援センター」について質問をしました。
議論が深まる中で、子育て世代包括支援センターは厚生労働省の管轄ではあるけれども、縦割り行政ではなく、教育委員会もしっかりと関わることを提案してきました。
新潟県内では、多くの自治体が教育委員会の中に子育て部門を入れた体制がとられていることも紹介しました。
当時、三条市に視察に行き、教育長からお話を伺う中で、この方は、文科省の方から来られていた方で、現場を目の当たりにし、母子保健と学校教育の間にどうしても切れ目ができてしまう現実に、どうしたらよいのか考えたそうです。
教育委員会は独立した機関ですので、教育委員会を市長部局に移動することはできませんが、教育委員会の中に、子育て部門を入れるのは可能であることを突き止めたそうです。
また、箕面市にも視察に行きました。
こちらは、学校現場が抱えている家庭の課題に対し、なかなか福祉につながらないことに目を向け、見守りを続け、社会に出るまでずっと見守り続ける仕組みを作りました。
10数年も前から、少しづつ、事務委任ができないのか法規を洗い出したり、補助執行の問題点は何か、支障はあるのか検討しながら、平成28年に子どもの成長見守り室を立ち上げ、教育委員会に子育て部門を入れ、子どもの貧困の連鎖の根絶に立ち上がりました。
その後、子ども見守りシステムを構築したことを知り、調査しました。
このシステムでは、生活困窮判断・学力判断・非認知能力判断の3つの要素で判定した上で、それらの要素を掛け合わせて子どもの状態の総合判定を年2回行い、システムを管理する子ども成長見守り室を設置したことにより、現場での小さな気づきの情報が入ったり、これまで見過ごされてきた支援が必要な子どもを、客観的に見つけることができたそうです。
また、子育て・教育のワンストップを実現した逗子市にも行きました。
こちらは、子育てや保育など行政サービスがそれぞれ違うフロアーだったものを、5階の教育委員会に集約することで、利便性の向上が図られたそうです。
同じフロアーになったことで、専門知識の共有や迅速な課題解決が図られていました。
ここでのキーマンは保健師さんです。家庭訪問をしながら、親の健康面や心身面にも気を配り、生活の大ブレーキとなっている勤勉性の欠如にも気を付けて支援していました。
月1回の、児童相談所を含めた会合で、引きこもりや高校に行っていない人の把握、中学校の卒業証書は手渡しなのか、家庭まで持って行ったのかなど情報を共有し、15歳以上に対し、人とのつながりを大切にしていました。
教育委員会と学校関係の複雑さ、教育と福祉では同じ言葉でも意味が違い、お互いを理解するのが大変だったそうです。
デメリットを聞いたところ、思いつかないと言っていました。
様々な自治体が工夫を凝らして、子どもの成長を見守っています。
本市においても、参考になる部分は取り入れて欲しいと思います。
今後、令和8年度の開設を目指している、市児童相談所において、子育て世代包括支援センター等のデーターを共有し、また、学校関係からの情報も取り込めるように検討するとの答弁が令和4年第3回定例会でありましたので、今後もしっかりと取り組んで参ります。