11月9日(金)鳥取県にある伯耆町役場で「使用済み紙おむつ燃料化事業」の説明を受けました。
偶然にも、埼玉県幸手市・杉戸町の議員さんと一緒の視察となりました。
伯耆町役場前ですが、桜が咲いていました。数日前に、気温が下がり、その後は暖かい日が続き、桜が間違えて咲いたようです。
森安町長より、導入の経緯を教えてもらいました。
可燃ごみは、南部町・伯耆町清掃施設管理組合クリーンセンターと伯耆町清掃センターの2施設で、焼却処理をするなか、事業系「使用済み紙おむつ」も一緒に搬入され、焼却処理がされていました。
H17年の合併から、人口は減少するものの、可燃ごみの処理量はほぼ横ばい状態のなか、焼却施設の老朽化が進み、水分の多い、生ごみと使用済み紙おむつの減量化を検討し、使用済み紙おむつの燃料化に取り組んだそうです。
ポリマーにより、多量の水分を含んでいるため、重く、焼却する際も燃えにくいが、一旦燃え始めると急激な温度上昇を招き、焼却炉を傷める原因となるので、処理困難物となっています。
そこで、使用済み紙おむつを、ペレット化し、平成26年4月に町営温泉施設に「使用済み紙おむつペレット専用ボイラー」を設置し、使用することで、エネルギーの地産地消が完成しました。
事業の効果は、温泉ガスボイラーで使用するLPG(プロパンとブタンを液化したものを液化石油ガスと呼ぶ)の約2割を削減目標に取り組んだところ、平成28年度に目標を達成し、平成29年度は、平成26年度との実績比で25.6%削減できました。
しかし、問題点もありました。
事業系使用済み紙おむつを、産業廃棄物とするのか、一般廃棄物とするのか、一定の指標が望まれる。
この事業を開始したときは、実証実験として、一般廃棄物として、町で回収・処理をし、回収コストを町が負担している。通常であれば事業系ごみなので、排出事業者の責任だが、有料化することに抵抗がある。
専用のボイラーを開発し、運転しながら改良を継続しているが、燃焼時に発生する「すす」は、バグフィルター(ろ布)を傷める原因となっているため、対応に苦戦中だそうです。
実際に、清掃センターと温浴施設を見学しました。
町なかから少し離れたところにありました。
専用のトラックで運ばれてきます。
紙おむつ燃料化装置に入れらます。
処理フローです。
清掃センターから、温浴施設に移動しました。
白い物が、ペレットです。
ペレットを、専用のボイラーに投入し、エネルギーとなります。
専用のパイプで温浴施設に運ばれています。
社会福祉協議会が運営していますが、ここでも、健康ポイント制度がありました。
船橋市でも、10月から始まりました。
前回、松戸市にある企業を視察しました。船橋市でも、ごみの減量化に取り組む中、使用済み紙おむつの燃料化を考えなければなりません。
また、保育園が使用済み紙おむつを持ち帰らせていることについて、他市では、持ち帰らせないようにする取り組みが始まっています。
衛生面からしても、持ち帰らせないようにすることが必要です。
しかし、乳幼児の使用済み紙おむつの量や水分量よりも、大人の紙おむつの使用量の方が、断然多いわけですから、リサイクルできるのであれば、しっかりと取り組んでいく必要があります。