オンラインゲームなどにのめり込んで、昼夜逆転の生活が続いてしまう。そんな状態の人は『ゲーム依存症』という病気と診断されるようになります。
このほど、世界保健機関(WHO)で、国際的な診断基準が正式に決まりました。
2022年から適用されるWHOの診断基準
*遊ぶ時間をコントロールできない
*日常生活でゲームを最優先にしてしまう
*勉強や仕事などに支障が出てもゲームを続けるか、エスカレートさせる
これらの症状が1年以上続くか、重い場合には、医師がゲーム依存症と診断するようになります。
今回の決定の背景には
*ゲームに熱中すると遊ぶ時間が長くなりがち
*モンスターとの戦いや冒険といったさまざまなゲームは、使うアイテムなどの入手に課金がある場合が多く、お金をかける人もいる
*いつでもどこでも使えるスマートフォンの普及で、ゲーム好きがエスカレートし、依存の疑いのある人が増えている
厚生労働省によると、ゲームを含むネット依存の疑いのある中高生は17年度に推計で93万人。5年前の倍近くです。
WHOは、今回の決定で、依存リスクへの専門家の意識が高まるとして、予防や治療の進展に期待しています。
「コントロールできない状態」に陥るのは、ギャンブル依存症とも共通しています。
この問題に詳しい精神科医は、「勝った時などに脳内でドーパミンという快楽物質が出るが、繰り返すうちに、ドーパミンが出なくなると、快楽を求め、ますますのめり込む」と、病気のメカニズムを説明します。
重症の人には入院治療も
ゲーム依存もギャンブル依存と同様に、カウンセリングを受けて、デメリットを自覚し、生活を見直す治療が必要になります。
専門家の治療部門がある国立病院機構久里浜医療センター(神奈川)では、重症の人には必要な場合、約2か月の入院治療を勧め、運動プログラムも取り入れ、睡眠サイクルを整えながらネット使用を減らすよう促しています。
親子で話し合ってルールを決めよう!
ゲーム依存の予防のためにも、スマホやパソコン、ゲーム機器の使用ルールを親子で話し合っておくことが大切です。
夏休みなど長期の休みは、ネットやゲームに向かう時間が多くなりやすいと言われています。
親子で、ルールを決めましょう。
スマホやパソコン等の望ましい使用ルール
*ルールは親子で話し合って書面化を
*家族の目の届く所で使う
*使用時間の例「1日2時間、夜9時まで」
*食事中は禁止、家族や友人との時間を大切に
*使用料の上限を決め、有料ゲームはおこづかいで
*ペナルティの例「翌日は使用禁止」
(国立病院機構久里浜医療センターのHP参考)
スポーツや音楽など、ゲーム以外にも熱中できそうな対象はたくさんあります。
自分は「ゲームやネットに依存しているのでは」と心配な人は、新たな世界に目を向けてみることも大切です。
子どもだけではなく、大人も、スマホの使い過ぎなどで、首や肩が痛くなり、止めなければと思いながらも、止められない人も多いのではないでしょうか。
アルコール・薬物・ギャンブル依存など、多くの方が、依存症で困っている姿を見かけますが、子ども達のゲーム依存は、親や私たち大人が関わってあげなければ、大変なことになってしまいます。
ゲームに依存にならないように、にならないように、共に気を付けてあげましょう!