いつもと違う夏休み、新型コロナウイルス感染拡大で、大きく影響を受けている子ども達、夜回り先生こと水谷修先生が、語ってくれました。
コロナ禍で子ども達が置かれている現状
*臨時休校中は、いじめの相談がゼロだった一方、虐待に関する相談が増えた。
*これまで虐待とは無縁だった親が、子どもに暴言や心ない言動を浴びせる精神的虐待が目立つ。
(親も在宅勤務が増え、勉強もせずにゲームやSNSに夢中になっている我が子に対し、イライラをぶつけている)
*ドラッグに関する相談も増えた。
(休校で友人にも会えず、平日も時間を持て余す中、心の隙間を埋めるように、ドラッグに手を出した)
親はどう向き合うべきか
*虐待をした親は、ほとんど反省をしていたが、「仕事がうまくいっていない」「会社が倒産しそうだ」などの不安を抱えている。
*「親もつらいと思うが、子ども達が一番つらい経験をしている」
*大人は、お酒を飲んだり、多少のガス抜きはできるが、子どもはそれができない。
*いら立ちや焦りからくる親の言動で、子どもの心に傷を付けたり、親子関係が壊れたら、取り戻せない。
*親も子も経験したことのない事態に直面しているからこそ家族で「つらさ」を共有してほしい。
(「お父さん、仕事大変だけど頑張るね」と素直に話すだけでも、子どもは素直に受け止める)
*毎年、夏休み最終日の8月31日は子どもの自殺が最も多い、今年は特に、大きな変化があっただけに、夏休み明け前後の子どもの様子を注意深くみてほしい。
子ども達へ伝えたいこと
*学校の遅れなど焦らなくていい。
(周りの友達も含め、みんな同じ状況)
*夏休みにしかできない、自分が興味ある学問を探求してほしい。
*規則正しい生活を継続しよう。
(それが、夏休み明けの学校生活に生きてくる)
*困ったことがあれば、必ず学校に相談しよう。
(不確かな情報であふれるインターネットに相談先を求めてはいけない)
私も相談を受ける中で、在宅勤務になり、子どもがゲームばかりしている、やって欲しいことをやらない、口答えが気に障るなどの子どもの様子が気になりイライラして、手を挙げてしまった。とか、今までくすぶっていたことがあふれ出たように、夫との関係が上手くいかず、離婚届を出してしまった。子どもを連れて、行く当てがない。等、いかに大人がイラつき、弱い立場の子を巻き添えにしているかがわかります。
家族で過ごす時間や子どもと一緒にいる時間が増えたことを、どう受け止めるかで違ってきます。
例えば「大変なことになった」と受け止めるのか「子どもとの時間を取り戻せる」と受け止めるのかによって、辛いのか楽しいのか違ってきます。
私たち人間には、新しいことを生み出す「発想力」や、物事を変えていく「転換力」そして、新しいことに挑戦しようとする「行動力」があります。
「ピンチはチャンス」という言葉もあります。
ちょっと視点を変えてみませんか。
ダメな点ばかりに目をやらずに、洗濯物を取り込んでくれたら、たとえたたんでなくても、「ありがとう」と言って、その後に「できればこうやってたたんでもらえると嬉しいな」と言って、たたみ方を教えてあげるとか、たたみ方が変でも「ありがとう」って伝えるだけでも違います。
ゲームばかりしているなら、「すご~い、そんなこともできるんだ」と言い、ゲームを教えてもらいながら「何時間もやっていると、目を傷めるから、一日1時間と決めようね」と、ルールを決め、守れた日は、「守れたね、やればできるじゃない」ってほめてあげればいいのです。
一緒に食事の用意をするとか、お掃除をするとか、家族の一員として自分も頑張ればできることがあるとわかれば、一生懸命になります。
手間がかかって、かえって大変だからやらなくていいなんて思わないでください。
子どもには、沢山、温かい言葉をかけてください。自分も温かい気持ちになります。
自分が言われて嫌な言葉は使わないようにしましょう。
子育ては、親も一緒に成長します。
新型コロナウイルス感染症で未だかつてない、新たな生活をすることは、やむをえません。
子ども達もそのような中、頑張っていいます。
お互いを認め合って、乗り越えていきましょう!!