共育コラム
2020年 09月 12日

私の所に届いていた声をもとに、9月9日(水)一般質問で、取り上げました。

【橋本】特別定額給付金(1人10万円)は、基準日が4月27日のため、4月28日以降に生まれた子どもには支給されません。

コロナの感染拡大の不安な中、妊娠・出産された方がいます。

あるお母さんは、出産後2日で退院、いくら医療が進歩したとはいえ、感染防止のため2日で退院とは、かなりきついものがあります。

身体はもちろんですが、精神的にも不安定な中、自宅に戻れば夜中の授乳や何故泣いているのかさえも分からず、つらいことが目に浮かびます。

また、お見舞いも、家族1人だけであったり、里帰り出産もできず、通常とは違う環境の中、出産を迎えた方もいます。

紙オムツやミルク代など、経済的な支援も必要です。

この時期に妊娠・出産を迎えた妊産婦の方は、コロナウイルス感染症が若い世代を中心に拡大が広がりつつある中で、コロナ禍での外出が怖くて心身を病んでしまったり、出産時においても、立ち合い出産はもちろん、お見舞いも禁止され、心細い中で出産された方もいるなど、一様に大きなリスクを負っています。

4月に受けた相談では、「5月に出産予定の娘の事で、夫の会社で感染者が出てしまい、娘が不安で仕方がないこと、もし、娘が感染していたら、産婦人科には来ないようにと言われているが、万が一の場合どうしたらよいのか」とお母さんから相談があり、「子育て世代包括支援センター・ふなここ」に電話するように伝えました。

他の妊婦さんからは「自粛生活で、買い物にも行かれない。上の子を外に連れ出すことができず、イライラしている。無事に出産できるか不安」との声もありました。

そこで伺いますが、市の方にも、この様な声は届いているでしょうか。

【保健所理事】「子育て世代包括支援センターふなここ」には、妊婦さんからいただいた意見の内、

産婦人科医療機関が新型コロナウイルス感染防止対策のため、通常であれば夫も関われたことができなくなってしまったこととして、「妊婦健診の際、夫の同席が認められず、一緒にエコーの画像を見て胎児の成長を喜ぶことができなかった」や「夫が分娩の立ち合いをできず、退院後の産婦人科の玄関の外ではじめて赤ちゃんと対面することになり、産後落ち込んだ」

また、妊婦ご自身の気持ちとして「里帰り出産を希望し、実家にサポートを受けようと思っていたが、高齢の親に感染する心配があり、サポートを頼めない」などの寂しい思いをした、つらい思いをしたとの声が寄せられている。

【橋本】出産は、何が起こるかわかりません。無事に生まれることが当たり前ではありません。命がけです。

さらにコロナウイルス感染症という未知のウィルスとの戦いの中、妊娠・出産されている方に対し、何らかの給付制度を創設していただけるよう会派で要望書を提出しました。

また、6月の臨時議会でも要望をさせていただきました。

全国各地で、特別定額給付金の基準日後に生まれた新生児に対し、給付金の支給や、自治体独自の買い物券を配布するなどの動きがある中、7月には、国の地方創生臨時交付金(第2次補正分)において、特別定額給付金の対象外となった新生児に対し自治体が独自給付を行う際には交付金を充用できる、との見解が示され、多くの自治体が活用し給付等が行われています。

このような中、本市においても、何らかの給付制度ができるものと思っていましたが、今回の補正予算に入っていませんでした。どのような政策判断をしたのか伺います。

【企画財政部長】特別定額給付金の対象とならなかった、本年4月28日以降に出生した子どもに対しての給付金制度の創設についてのことですが、議員ご質問のとおりコロナ禍という厳しい環境下で、妊娠・出産を迎えた妊産婦の方について、立ち合いや退院後の里帰りもできないなど、不安を抱えた中、大変な思いをしているものと認識している。

新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の使い方につきましては、「感染症拡大防止のための医療提供体制の整備充実」「安全・安心な生活を守るための支援」「市内経済維持のための事業者支援」など国や県の制度のすき間で支援が届かない部分に重点的に予算配分するとともに、準要保護世帯等に対する給付などをおこなった。

 

【橋本】経済や医療はもちろん、準要保護世帯やひとり親世帯に対し、臨時特別給付金の支給をしていることは評価していますが、出産は、先ほども申し上げた通り、収入に関係なく命がけです。

私の所だけではなく「ふなここ」にも、通常とは違う中で不安を抱えて出産をし、本来であれば、夫や家族が、生まれてすぐに対面でき喜びあえるのに、退院後、初めて赤ちゃんと対面することになり、産後落ち込んだとか実家への里帰りでさえ、サポートを頼めないなど、辛い思いをしている声が届いているわけです。準要保護世帯に手厚くしたとしても、準要保護には至らなくても、さほど変わらない世帯も多くいます。

若い世代の中には、税金や保険料などの負担に見合った行政支援を実感できていない人が多くいます。

低所得層にだけ支援がいき、自分達には何の恩恵もないと思っている人もいます。

若い世代を支援することで、今後の船橋を担ってくれることはまちがいありません。

経済的な負担を軽減し、子どもの健やかな成長を応援するため、新たな生活様式のもとで、様々な負担や不安を抱えながら、妊娠期を過ごし、子育てを開始する家庭へ、収入に関係なく支援することが必要です。

市として、新たな市民となる新生児・子育て世帯に対して、なんらかの支援をして欲しいと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうかお伺いいたします。

【市長】特別定額給付金の基準日後に誕生した新生児に対して独自の支援をすべきだという要望に対し、検討をした。

どこで終わりを区切るかという問題が常に付きまとう。他の自治体の市長とも話をしたが、非常に悩ましい。

船橋市で行った場合、期限を切った翌日に生まれた新生児のご家庭から同じような意見が出てくると思う。

今回、この事業については残念ながら採用することを見送らせていただいた。

ただ、質問の中であったように、通常の妊娠・出産以外にコロナという不安要素の多い中で大変な思いをして出産された方をしっかりと支えて、その方々が「船橋市はちゃんと私のことを支えてくれているんだ」という実感をしてもらえるようなことをやっていくことが非常に大事だと考えている。

低所得者だけでなく「私たちは何も恩恵を受けていないんだ」と感じている方もいる。

これは、市の様々な福祉制度をやっていくとき、どこかで基準を設けるときに、どこでラインを引くかというのが、一番頭を悩ますところであるが、私としては、社会の仕組みとして考えていくと、市民全体を支える仕組みを作る、そしてその中で、経済的に困っている方を優先しながらやっていくことが必要と考える。

今回の準要保護世帯の支援は、新生児から高校生世帯までに範囲を広げたのは、この様な考えから行った。

ただ、今回、ご質問者の主張のとおり、経済的直接支援がいいのか、ほかにどういった形がいいのか、十分考えていく必要があると考えている。

先ほどの質問にもあったように、非常に精神的に不安を抱えている方が多くいる。

船橋市では、赤ちゃんが生まれた家庭への訪問を3月は一時中断したが、4月以降ずっと継続してやってきている。

その中で、保健師が十分聞き取りをして、もしも心配な方については継続的に支援する。産後ケアについても紹介し、利用者も非常に増えている。

今後に向けて、先ほども申し上げたように、船橋市としてそういった方々をしっかりと応援しているんだということは、なにか必要だと思うので、今後も検討する中で実施可能なものについては鋭意取り組んでいきたいと考えている。

【橋本】子育てでひたむきに頑張る世帯に対し、もう一手の安心、励ましを届けることがとても重要です。

若い世代や子ども達は、船橋の宝です。

再度、何らかの手立てを考えていただくことを強く要望します。

今回は、思うような結果を出すことはできませんでしたが、船橋市は、感染者が多く、PCR検査の試薬の購入や、保健所の人員増加、さらには、軽症者や無症状の方を受け入れているホテルの借り上げ関連、学校教育における端末整備、避難所の間仕切りなどの備蓄品の導入や、公共施設へのWi-Fi設置など多くの事が盛り込まれている、補正予算をしっかりと審議してまいります。