今回の令和3年第2回定例会での一般質問で、「若者・女性に届く支援」と題して、今問題になっている「生理の貧困」について、取り上げました。
橋本・・・「生理の貧困」問題は、貧困で購入できないことに加え、ネグレクトにより親等から生理用品を買ってもらえない子どもたちがいるとの指摘もあり、公明党ではこの問題にいち早く取り組み、生理用品の負担軽減を目指す任意団体「#みんなの生理」の共同代表から話を伺い、団体が行った高校生や大学生らを対象に行った調査から、「過去1年以内に生理用品を入手するのに苦労した経験がある人が約20%」さらに、「生理用品でないものを使ったことがあるが27.1%」交換する頻度・回数を減らしたが36.9%」なども見られました。
この他にも、「生理を原因として学校を欠席・早退・遅刻したが48.7%」「運動を含む活動を休んだが47.4%」など、生理によって学校生活に十分に参加できていない実態が明らかになりました。
また、公明党女性局が、20代・30代の女性と生理をめぐる課題について意見交換したところ、「男性ばかりの職場で、理解がないために生理休暇が取れない」などの声もよせられ、経済的負担だけではなく、生理の正しい知識を得る機会がない中で、生理痛や月経困難症に悩んでいる女性が多いこと、様々な不安に対し安心して相談できるところもないこと、さらに婦人科を受診するハードルの高さ、医療費の負担など多くのことが改めて分かり、いち早く、国会において「実態を把握し、学校での無償配布など必要な対策」を求めました。
また、私たち千葉県内の公明党では、女性議員を中心に、実態調査や要望活動を一斉に行い、県知事・県教育長に要望書を提出し、さらに、県議会でも取り上げ、「県立学校62校をモデル校に設定し、福祉的な支援につなげるため、検証を行う」ことが決まりました。
各自治体においても、様々な取り組みがなされています。
本市においても、5月22日から6月10日まで、経済的な理由等で生理用品を購入することが困難な方に、備蓄していた生理用品を無償で配布しました。お知らせ方法は、おもにHPだと思いますが、若い世代の人たちは、行政のHPや広報紙を見るでしょうか。実際に配布をして、どのように評価したのか、また、配布の時に、生きづらさを抱えている女性が相談できる相談窓口の一覧表など、生理用品以外に配布したものはあったのでしょうか伺います。
市長公室長・・・今回の取り組みの周知については、定例記者会見・市ホームページ・情報メール・ふなっぷ・LINE・Facebook・Twitter等、様々な手段を活用し、中でもSNSでは、連日発信、さらに市内の高校や大学に情報提供して生徒・学生への周知を依頼した。
実績としては、10歳代をはじめ幅広い年齢層の方に、およそ600セットを配布し、必要とされている方々に渡すことができたものと思う。
また、様々な事情を抱えている女性が、ひとりで悩まず気軽に相談してもらえるように、各種相談窓口を網羅したリーフレットを一緒に配布したほか、防災備蓄品の缶入りパン・クラッカーなども渡し、備蓄品の利活用をする中で、生活に困窮している方の支援に少しでも繋がれば、とのことで取り組んだ。
橋本・・・メーカーに確認し、生理用ナプキンの消費期限は3年が妥当だとすれば、備蓄品には、赤ちゃん用の紙おむつや大人用の紙パンツがあると思いますが、これらも、湿気を吸い込むと思いますので、利活用が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
また、大規模災害時は、トイレに頻繁に行くことが困難だと予想されますので、吸収力の高い、夜用の生理用品や大人用の紙パンツ、さらに、紙おむつも用意しておく必要があると思いますがいかがでしょうか。備蓄品について伺います。
市長公室長・・・現在、備蓄している紙おむつや紙パンツについても、更新時期を迎えるものは、保育所や高齢者施設等の所管部署と協議・連携して有効活用を図る。
また、避難所で生活を送るうえでは、議員ご指摘の品目も必要であると考えられるので、今後、これらの配備について、検討する。
橋本・・・「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」に、「生理の貧困」問題が顕在化しているとして、交付金を活用した生理用品の提供や相談体制の充実が盛り込まれ、生理用品の提供だけではなく、それを一つのきっかけとして、「生理の貧困」にある女性の背景や事情に丁寧に向き合い、きめの細かい寄り添った相談支援を充実すること、小・中・高等学校等において生理用品の入手に困難が生じている児童生徒が判明した場合は、養護教諭やSSW等が連携し、生活支援や福祉制度につなぐ。
など具体的に示され、多くの自治体で、備蓄品の活用や予算措置をして、本市のような配布や、小中学校や公共施設の女子トイレ・保健室に設置、また児童生徒に案内を行い、希望者に保健室で渡すなど、学校での活用が増えています。
ただ、私がとても懸念しているのは、学校のトイレに設置することです。学校のトイレは、いじめの温床になる事もありますし、男性教員が設置する場合、隠しカメラを設置されたら、それこそ許すわけにはいきません。だからと言って、女性教員ばかりに任せるわけにもいきません。
また、本市の学校では、生理用品が無くて困っている児童・生徒に対し、保健室でもらえるようになっていると聞いていますが、保健室に行かれない児童・生徒もいることから、八千代市のように、「急に生理が来た時、このカードを、話しやすい女性の先生に見せるだけで大丈夫」と言った内容のカードを作成し、全女子児童・生徒に配布することもできます。
このようにトイレに置くことにこだわらず、困っている児童生徒に支援が届くようにするべきと考えますが、いかがでしょうか。
学校教育部長・・・保健室にもらいに行けない児童生徒について、女性職員や声をかけやすい教職員からもらえるような体制づくりをするよう、各学校にお願いしているところです。
しかしながら、議員のご指摘どおり、様々な条件に対応することは必要なことだと考えているので、校長会や養護教諭会と対応を検討する。
橋本・・・公共施設の女子トイレへの設置について、豊島区などでは、民間事業者と連携し、『OiTr(オイテル)』というディスペンサーをトイレの個室に設置し、無料でナプキンの提供が始まります。
これは、個室内に掲示されているQRコードから、専用アプリをダウンロードし、ディスペンサーに携帯をかざすだけで、ナプキンが出てきます。便座に座ると、広告が流れるようになっていて、デジタルサイネージ広告に出している企業の広告費から賄われるため、利用者は無料で使用できるものです。
これらを活用し、公共施設の女子トイレへの設置を要望しますが、いかがお考えでしょうか。
市民生活部長・・・本市においても同様のサービスが提供できないか、関係機関を含め検討してみたい。
橋本・・・ここのところ、生活苦や家庭問題などで女性の自殺が増えています。追い詰められる前に、どうすれば行政の支援が届くのか考えなければなりません。
生理の貧困問題が出てきたときに、ある産婦人科の女医さんがテレビで「この生理の貧困の問題は女性の体を知ってもらうところに大きな視点がある」と話していました。
例えば、毎月、生理前になると、自律神経のバランスを崩し、頭痛や胃痛、イライラすることもあります。生理になると、経血の量が大量になる場合もあり痛みが続きます。めまいや吐き気なども起こす人もいます。このように、周期的に体調が悪くなり、仕事や家事・子育てを頑張りたいけれども、どうにも力が入らなかったりします。これらを周りが理解し、優しい言葉をかけてくれるだけでも違うのです。
また職場でも、周りが男性ばかりであって理解がしてもらえないがために、仕事を休むとか、ちょっと休憩をしたりするとかできない、無理してでも頑張らなければならない、そういった女性がいかに多いかと言うことです。
生理の貧困問題は、ただ単に生理用品を無償配布すれば良い、と言うわけではありません。若い女性が何に困っているのか、何をどう支援していけば良いのかを考えなければなりません。
豊島区では、10~20代の女性への支援方法を考える組織「すずらんスマイルプロジェクト」を立ち上げました。
これは、子育て関係、人事、総務、広報、男女平等推進センター、自立支援、教育など、幅広い部署の課長級が10人集まり、チームで連携して迅速な対応を目指しています。
HPを見ますと、『「周りには隠しているけど、結構つらい」と思っている方へ、少しでもあなたの力になりたいという想いを込めて、このページで情報を発信していきます。』とあり、とても見やすく、優しさが伝わってくるHPですので、ぜひ一度ご覧ください。
このチームでは、若い女性の支援実績がある民間団体と意見交換をし、いち早く、区役所の窓口などで、防災備蓄を活用し、生理用品を無償配布しましたが、その時に、「他に困っていることはありませんか」と声をかけたことで、失業や生活困難に関する相談窓口につながったケースがあったそうです。
担当者は「役所の相談窓口は行きづらいと思われており、足を運んでもらうきっかけになった。生理用品の配布を必要とするほど困りごとを抱えている女性が、考えていた以上にいた。根本的な解決につながる支援を引き続き検討したい。」と強調されています。
本市においても、早急に、若年層の女性に届く支援を考える、プロジェクトチームを立ち上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。
市民生活部長・・・男女共同参画計画に関する施策については、総合的かつ効果的な施策を推進するために、庁内の37の所属で構成する「船橋市男女共同参画庁内連絡協議会」を設置している。この中で、若い女性に届く支援を考える分科会などの設置を検討したい。
橋本・・・東京都では、女性が気軽に悩みを相談できるウェブサイト「TOKYOメンターカフェ」を開設しました。
これは、掲示板形式で、投稿された相談にメンター(相談相手)が回答を書き込む仕組みです。
掲示板形式なので、実名ではなく、ニックネームなので、だれが投稿しているのかわかりません。質問と回答が、いつでも、だれでも見ることができ、自分と同じようなことを悩んでいる人がいることを知るだけでも、安心できます。
投稿内容は、仕事や子育て、介護、人間関係の悩みなど幅広く、「相談ではないが、話を聞いてほしい」という投稿も受けているようです。
担当者は、「電話や面談形式だと、特に若い女性にとって、利用のハードルが高い。女性がいつでも話を聞いてもらえる場が必要。予想以上の件数が寄せられている」メンターだけではなく、専門家による対応が必要と判断した場合は、相談を投稿した女性に適切な相談窓口を紹介しているとのことです。
私たちは、市役所に頻繁に来ていますので、担当課に足を運ぶことは何とも思いませんが、若い方たちを、行政サービスに繋げるためには、今までと同じ事をしていたのではだめです。
「フードバンクふなばし」さんが毎月行っている「パントリーピックアップ」を何回か見学させていただきましたが、児童家庭課の自立支援員の方も土日で休みにもかかわらず、毎回参加し、「困っていることはないですか」と声をかけています。実際に、窓口に来て相談する時よりも、気軽に話しをしてくれているようです。
このように、今までとは違う取り組みが必要だと考えます。また、若い世代に合ったツールを活用し、女性が気軽に悩みを相談できるウェブサイトを検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
市民生活部長・・・本市は、相談しやすい取り組みとして、電話や対面での相談窓口に加え、LINEを活用した相談窓口を開設しており、より専門的な相談が必要な場合は、関係課と連携し、専門的な相談窓口を案内している。
男女共同参画に関する情報や講座の案内募集などについては、広報ふなばしやホームページだけでなく、若い世代が活用しているTwitterやLINEを通じて発信している。
今後も、世代にあったツールの活用を検討し、必要な情報が若い世代に届くように取り組むとともに、議員ご案内の掲示板サイトのような仕組みを含めて、若い世代への情報発信に成果を上げている自治体の事例を研究したい。
今回は、20分の持ち時間の中、13分使い、思う存分、議論ができました。
長文にもかかわらず、読んでいただき、ありがとうございます。
ご意見・ご感想等、ぜひお聞かせください。