3月10日(日)に開催された、尾道市立市民病院 市民公開講座「意外に身近な 脳脊髄液漏出症」にweb参加させていただきました。
会場には約130名web参加は約280名と多くの方が参加していました。
尾道市の平谷市長があいさつで「数年前に市内のお子さんが、頭が痛いと訴えていた。2年前に市民病院に守山先生が赴任してきて、脳脊髄液漏出症と分かり、治療を行い、元気になった。この時に脳脊髄液漏出症を知った。」
尾道市立市民病院の大枝病院長からは「参加者が多く、関心の高さに驚いている。」
尾道市立市民病院 脳脊髄液漏出症治療センター長の守山先生からは、「脳脊髄液漏出症関連入院患者件数が、2021年は50件だったものが、2023年は744件と増えている。」
脳脊髄液漏出症について、分かりやすい説明があり、どこで漏れているのか調査した結果などを教えてくれました。
小学生(高学年)~高校生が増えていること。朝起きられなくて、不登校の子が多い。学校に行きたくても、行かれない子がいる。
細木小児科医からは「起立性調節障がいの子どもたち」
起立性調節障害は身体的要因→朝起きられない・頭痛・たちくらみなどの体の症状が出る→遅刻、欠席が増える・生活のリズムがずれる行動の症状が出る。
この時に、友達にどう思われているか・病気は治るんだろうか・学校でしんどくなったらどうしよう・家族がわかってくれなくてつらいなどの心の症状がでて、さらに体の症状が出る。
起立性調節障害になった時、学校での人間関係や親子の葛藤・進路の悩みなど心理社会的要因が絡みあうので、病気を正しく理解することが重要。
小児科医として、家族に説明をし、日常生活での注意点・食事・運動療法など丁寧に説明をしている。
事例を通し、起立性調節障害と脳脊髄液漏出症の症状が類似しているので、迷った時は、脳脊髄液漏出症を疑うことが必要。
会場からの質問で、小児科医はほとんど脳脊髄液漏出症のことを知らないので、なかなか改善しない時は、脳脊髄液漏出症を伝えてみることも必要だと答えていました。
患者の父として、国立病院機構広島西医療センター・脳神経内科の鳥居先生はご自分のお子さんが、中1の時に、インフルエンザA型に罹患し、その後インフルエンザ脳症や様々な症状が現れ、次第に登校できない日が増えた。
倦怠感や頭痛・下痢などが続くも、入院を繰り返しながら、学校へ。
専門医としてのプライドにかけて症状を一つ一つ識別し、分類を試みたにもかかわらず、正しい(冷静な)判断ができなかったことの葛藤が痛いほど伝わってきました。
普段からよく見ている、奥さんや本人にゆっくり話をきき、学校に対して、病状を理解してもらうこと・診断名を伝えるだけではなく、病態・経過・増悪因子などわかってもらうために、学校管理者や担任に説明資料を作成し説明したそうです。
認定NPO法人 脳脊髄液減少症患者・家族支援協会代表理事の中井先生から、「脳脊髄液漏出症の拠点病院を全国各地に作るには」「脳脊髄液関係の訴訟問題の解決を目指す」と題し、取り組みを話していました。
令和6年度診療報酬改定で、「硬膜外自家血注入」(ブラッドパッチ)が800点から1000点へ増えることが紹介されました。
患者自身の負担が増えるにも関わらず、患者の皆さんが、地元の行政に働きかけ、地元の議会から国へ意見書を提出しました。
このことについて、私も、患者会の方からお話を伺い、中井先生に詳しく教えてもらい、令和5年第3回定例会で、発議案「ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入)に対する適正な診療上の評価等を求める意見書」を提出しました。
【詳しくは、2023年9月13日の投稿をご覧ください。】
また、脳脊髄液関係の訴訟問題の解決を目指すでは、交通事故後の患者がいるにもかかわらず、自賠責や裁判(司法)では認められないため、厳しい状況ではありますが、患者・弁護士・医師対象に「訴訟問題 脳脊髄液減少症ポータルサイト」の設置を目指している。とのことです。
最後は、国への働きで、山本博司参議院議員(公明党脳脊髄液減少症PT座長)から、今までの取り組みを紹介。
21年前の2003年に千葉県の患者さんから始まり、2006年に公明党として対策を作成し政府へ。
2007年厚労省の研究班ができた。
2016年ブラッドパッチが保険適用に。
2020年国土交通省で、自賠責に対するパンフレット作成。
障害年金をもらえるように、社会保険労務士の方が取り組んでいることも紹介されました。
千葉県から始まったこの取り組み、船橋市にお住いの方です。私もしっかりと取り組んでいきます。
(以前は、脳脊髄液減少症といっていましたが、現在は、脳脊髄液漏出症というようです。)