全国フードバンク推進協議会主催のシンポジウムが6月24日(土)池袋カンファレンスセンターで開催され、参加しました。
第1部では、小田川華子氏を講師に迎え、『共に考えよう「子どもの貧困」』をテーマに、基調講演が行われました。
東京都が「子どもの生活実態調査」を行い、2017年に中間まとめをしたデーターを基に、見えてきたことは、以下の点でした。
①金銭的な理由で、食料が買えなかった経験・公共料金の滞納経験・医療を受けさせなかった経験が困窮層ほど多い
②16-17歳になると健康状態が顕著に悪い(虫歯の本数も多い)
③学力では、困窮層ほど、授業が分からない子どもの割合が多い
④自己肯定感では、困窮層ほどネガティブで、孤独を感じている
⑤いじめの経験では、困窮層ほどいじめられた経験がある
⑥保護者が孤立し、困った時に相談できる相手がいなかったり、精神的ストレス、うつが多い
このような現状のなか、心の土台となる自己肯定感を養うには、学校・保育園や幼稚園・地域など多くの人が関わることが大切です。
また、生活保護や就学援助などの制度をがまんしないで利用してほしいと思います。
相談にのってくれる体制もとられていますので、遠慮なく相談をしましょう。
第2部では、各フードバンク団体の取り組みが報告されました。
『NPO法人POPORO』の鈴木和樹事務局長は、自身が子どもの頃、生活保護を受給した経験から、困っている人の役に立つ仕事をしたいと考えて、様々なボランティア活動をしてきました。
印象的だったのは、困っている人ほど、相談に来ない。
自分たちだけではなく、多くの他団体を巻き込むことが大切。
多くの団体を巻き込むことにより、様々な人脈を駆使することができます。
『NPO法人フードバンク岩手』の阿部知幸副理事長は、貧困の芽を摘み取ることが大切。
非正規でひとり親・介護をしながらひとり親・子だくさん・両親はいるが、病気など、多くの困っている家庭がある。
少しのつまずきで困窮する事があるなら、やり直すきっかけもいっぱいある社会や地域を作ることが大切。
食べ物・お金・時間(ボランティア)できることから関われればいいなと思いました。
『NPO法人ホットライン信州専務理事/信州こども食堂ネットワーク事務局長』の青木正照氏は、24時間365日無料の電話相談を行う中で、相談だけではなく、面談・同行・生活必需品の支援をする中で、いじめや孤食など自力では、生き辛さから抜け出すことの難しさから、誰でも気軽に話ができる居場所を作ってきました。
松本市や長野県など行政も係わりながら進めています。
貧困世帯にサポーターとなってもらう事により、貧困世帯が特化されなくなるように努めています。
「子ども食堂」が「貧困」のイメージとならない取り組みは、大切な事と思いました。
『全国フーバンク推進協議会代表/認定NPO法人フードバンク山梨理事長』の米山けい子氏は、加盟フードバンク団体からの意見を集約し、農林水産省へ意見書を提出したり、政府が貧困対策として推進している「マッチングネットワーク推進協議会」へ参画するなど、幅広い活動を紹介していました。
フードバンク山梨では、全国初の「フードバンクこども支援プロジェクト」で、食品を必要とする支援世帯に配布。
夏休みに何も食べるものがなく、夏休みに学校へ行き、担任に「何か食べるものない?」と言ってきた児童をみて、教頭先生がフードバンクに相談してきたことがきっかけだそうです。厳しい状況の子ども達がいるという事を目の当たりにしました。
食品を送るときに、返信用のはがきも入れることにより、様々な声をもらっているそうです。
多くの方が、何とかしなくてはと動いています。
食の部分だけではなく、学習支援や相談など寄り添った支援の必要性を感じました。
今回のシンポジウムに参加し、全国各地で抱えている問題だと感じました。
本市においても、こども食堂が立ち上がってきましたが、ネットワークの構築が必要だと思います。
学習支援についても、自分なりに考えて参ります。