10月は「ピンクリボン月間」です。
国立がん研究センターの統計によると、日本人女性の9人に1人が乳がんにかかると言われています。
早期発見・早期治療によって完治する可能性が高いことから、無料検診クーポン券の発行や個別の受診勧奨(コール・リコール)を積極的に進めてきたことで、2割程度だった受診率が4割強まで上昇しています。
しかし、欧米諸国に比べるとまだまだ低い、検診受診率です。
船橋市では今年度、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を踏まえ、一時、がん検診と健康診査が中断されていましたが、令和2年6月1日より、再開されました。
乳がん検診は2年に1度、30歳代の偶数年齢の女性市民は、500円で、問診と超音波検査が受けられます。
40歳以上の偶数年齢の女性市民は、おなじく500円で、問診とマンモグラフィー(乳房エックス線検査)が受けられます。
該当者には、誕生月の2~3か月前に、受診券が送られてきますが、今年度は、受診券の有効期限が切れた場合でも、令和3年3月31日まで受診が可能となっています。
受診券が届いた方は、事前に医療機関に問い合わせた上で、受診をしましょう!
コロナ禍で、検診を控える人が増えていますが、自分の体は自分で守る以外ありません。
早期発見・早期治療のためにも、検診を受けましょう!!
学校の授業などで、ドクターや緩和ケアの看護師など専門家やがん経験者を外部講師として招く「がん教育」が各地で開催されています。
子ども達が、学校教育の中で、がんを学ぶことは、とても大きな意味があります。
がんは治らない病気とか、うつるのではないか等、間違った認識を持っている子どもも少なくありません。
「がん教育」の目的は、がんについて正しく知ることです。
誰でもがんになること、がんの予防、早期発見・検診の大切さ、がんの治療などについて正しい知識を身に付けることが、重要です。
テレビドラマなどでは、恐ろしい病気で、突然亡くなってしまうことが取り上げられていますが、医療が進歩し、早期発見・早期治療で約9割以上の人が完治する時代になりました。
正しい知識が必要です。
また、がんという身近で命にかかわる病気を学ぶことで、健康な生活や命の大切さに気付くことです。
早期発見・早期治療の大切さや、命の大切さを学ぶことにより、他人の命の大切さも学び、いじめをすることがどんなにいけない事かも学びます。
また、がん経験者のお話は、例えば、お母さんががんになった。
子どもたちは、お母さんが心配で、学校に行かれなくなったとか、お母さんのために、お洗濯や、お掃除を頑張るようになったとか、経験上からの話は、子どもたちの心に響きます。
肺がんの時には、タバコを吸い続けることの危険性を学び、家に帰って、お父さんやお母さんに、「元気で長生きしてほしいから、タバコはやめて」と伝えることができます。
かわいい子どもに言われたら、タバコの本数を少なくしようとか、思い切って禁煙してみようとか、大人にも変化が表れてきます。
学校現場に専門的な事を求めるのは酷です。
外部講師を招いて、しっかりと「がん教育」を行う必要があります。
私も、船橋市内の学校で、外部講師を招いた「がん教育」ができないか、何度も議会で取り上げ、担当課とも協議をしてきました。
今年度、校長先生を対象に、外部講師を招き「がん教育」とは何かを研修する予定でしたが、コロナ禍で、中止となってしまいました。
国においても大きく動き始めています。
「がん教育」を推進する立場の文部科学省と医師の活用に影響力を持つ厚生労働省は、外部講師活用の「がん教育」を共同で促すことを始めました。
厚生労働省は、全国約400カ所のがん診療連携拠点病院等に対し、学校からの依頼に応じて、医療従事者を派遣し、「がん教育」の普及啓発に努めるように要請をしています。
船橋市立医療センターが対象病院となっています。以前から、協力する姿勢はありますが、現実問題として、患者さんの治療等で、医師を派遣できるか厳しいと言われていましたが、今後どのようになるのか、さらに確認をしたいと思います。
がんは「生活習慣病」と言われています。「生活習慣病」とは食事や運動、ストレス、タバコ、飲酒などの生活習慣が原因となる病気の総称です。
国立がん研究センターが行った研究では、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの健康習慣を守る人は、そうでない人に比べ、男性で43%、女性で37%、がんになるリスクが低くなることが判明しています。
これらの結果をふまえ「がんを防ぐための新12か条」が作られました。
①タバコは吸わない
②他人のタバコの煙をさける
③お酒はほどほどに
④バランスの取れた食事をとる
⑤塩からい食品はひかえめに
⑥野菜やくだものは豊富にとる
⑦適度に運動をする
⑧適切な体重を保つ
⑨ウィルスや細菌の感染を予防する
⑩定期的にがん検診を受ける
⑪身体の異常に気がついたらすぐ受診する
⑫正しいがん情報を得る
どれもよく耳にすることばかりです。
しかし、予防をすればがんにならないとは限りません。
先ほどの研究結果で、男性43%、女性37%がんになるリスクが低くなると予想していますが、別の見方をすれば、がんの4割程度は予防可能だとしても、残りのがんは原因が分からないと言えます。
したがって、生活習慣が悪いからがんになるとは限らないとも言えます。
日本人の2人に1人が、がんにかかると言われています。
だれでもがんになる可能性があることをしっかりと受け止めて、もしがんになっても冷静に、できるだけ早く適切な治療を行う事が何よりも重要です。