すずらんブログ
2017年 05月 01日

遅くなりましたが、4月19日(水)、20日(木)に開催された「社会保障フォーラム」で学んできたことをまとめてみました。

講義1「平成29年度の厚生労働省予算と制度改正~医療、介護、福祉はこう変わる~

厚生労働省 社会保障担当 参事官 度山 徹氏

将来推計人口の概要から説明を受け、社会保障の給付と負担の現状と推移など、社会保障を取り巻く環境の変化を教えてもらいました。

平成29年度予算では、年金受給資格の期間が短縮されたことや、保育士等のキャリアアップの仕組み・処遇改善、介護保険制度における介護人材の処遇

改善等、厚生労働省が考えていることを、分かりやすく説明があり、地方自治体が地域の課題を掘り起こし、その地域にあった形で取り組んでいけばよいことがわかりました。

講義2「認知症高齢者と地域で暮らす」

NPO法人 楽 理事長 柴田 範子氏

今までのケアは、人が中心ではなく、介護が中心だった。これからのケアは、人の生活・人生・暮らしが中心。

これは、認知症デーサービスで食事や入浴など施設内で、介護を中心にケアしていましたが、小規模多機能型居宅介護に移行し、改めて地域との関係を強化するために、町内会長や民生委員に相談し、様々な取り組みを始めました。

近所の高齢者の方と交流、食事会や行事には、地域の方も参加し、顔見知りになっています。お互いが思いやりを持てる言葉がけが出来ていることに驚きました。

施設内だけのサービスから、外に出て、地域の方との交流を通し、生活することの重要性を教えていただきました。課題はあるものの、学ぶことは沢山ありました。

講義3「地域住民の命と健康を守るために–地域包括ケアシステムと栄養士、薬剤師の役割」

厚生労働省 医薬・生活衛生局長 武田 俊彦氏

高齢者の多剤投与の状況を教えてもらいました。多剤投与というのは、複数の医療機関から合計10種類を超えて投薬されている事です。

お薬手帳を利用し、同じ物は減らしてもらうことが大切です。中には、薬を減らすことで、認知症のような症状が治まり、食欲が出て健康状態が良くなる事例があるそうです。食べるということの大切を学びました。

日本薬剤師会 相談役 漆畑 稔氏

薬について、作用と副作用は、基本的に同じもの。例えば、花粉症の場合、鼻水は止まるが、涙や唾液も止まってしまい、胃の粘膜がやられてしまう。

多剤投与と相互作用、分かっているのは2錠から3錠までで、それ以上は未知の世界。かかりつけ薬剤師の必要性を教えてもらいました。

訪問管理栄養士 奥村 圭子氏

食べる事の重要性を通し、栄養パトロールを行っています。食生活機能の改善や市民に対する市民教育も行っています。

「薬」で治し寿命延伸の時代から、「食」を支援し健康寿命の延伸の時代へ考えさせられました。

ここで、一日目が終了しました。

 

講義4「空き家を活用した住宅セーフティーネット制度–低所得世帯に家、賃補助、住宅金融支援機構から融資も」

国土交通省 住宅局審議官 伊藤 明子氏

空き家といえば、誰も住む人がいなくて、古くなり、このまま放置されていたのでは、近所迷惑になってしまうので、何とかしてほしいという要望を受けますが、ここでは、耐震化やバリアフリー化で、高齢者や子育て世帯などに住宅を提供するものです。登録住宅に対する補助や低所得者の入居負担の軽減などの支援措置が行われます。

居住支援協議会が立ち上がり、様々な取り組みを、船橋市でも考えています。

講義5「地方議員は首長、行政のチェック機能を果たしてしるか」

元宮城県知事、神奈川大学特任教授 浅野 史郎氏

テレビでもお馴染みの、浅野元宮城県知事の話は、とても具体的でした。

議員は、当たり前ですが、主役は住民であること、その住民から、要望、不満を聞き出すことから始める。

「今、困っていることは何ですか?」「行政の何が不満ですか?」御用聞きが大切。

そして、政策的条例を作ることの大切さ。

首長と議員の関係を、実績に基づいての話でしたので、とても引き込まれる内容でした。

二日間の講義を終え、とても勉強になりました。

現場で何をすべきかよく考えて、これからも取り組んで参ります。