共育コラム
2023年 02月 24日

私が議員になってまもなく、多くの方からご相談をいただく中で、どこの窓口に相談に行けばよいのか、複雑に絡み合っていて、どこから手を付けたらいいのか分からないケースが沢山ありました。

そのような中、議会で何度も取り上げ、保健と福祉の総合相談窓口「さーくる」を設置してもらいました。

取り上げた時期には、総合相談窓口を設置している他の自治体があり視察を重ねましたが、ほとんどの自治体が、総合相談窓口で相談事を受け、そこから担当部署に繋げるといった方式でした。行政のたらいまわしが問題になった時期でもありました。

行政の方でも、総合相談窓口の設置について考え始めたところでしたので、どうせ作るのなら、良いものを作ろうと、お互いに研究をしました。

設置できるまでに数年かかるため、直ぐに開始してくれたのが「ふなばし健康ダイヤル24」【0120-2784-37】です。

平成24年12月3日にオープンしました。当時は本庁舎3階の窓口の一角からスタートし、徐々に相談件数が増え、本庁舎の1階に、さらに、本庁舎近くのビルの一角を借り、現在は、本庁舎別館に移転しました。

愛称を「さーくる」としたのは、公的機関、福祉サービス提供事業者、NPO等の関係機関が連携して、さまざまな制度やサービスをコーディネートして、輪のようにつながって相談者を支援していくことからだそうです。

「さーくる」の意味は、英語の6つの言葉「寄り添う」という意味の「cuddle」、「包み支える」の「inclusion」、「尊敬する」の「respect」、「つなぐ」の「connect」、「傾聴する」の「listen」、「力を引き出す」の「empowerment」の頭文字からとって「circle」ともしたそうです。

高齢者・障害者・子ども等どこにも該当しない、制度のはざまにある人、様々な悩みが複雑にからみあい、どこから手を付けたらいいのかわからない人など、対象を限らない相談窓口です。

設置から10年が経ちましたが、利用者からは「親切で迅速な対応で、お役所というイメージが変わった」との声も届いています。

「さーくる」は、社会福祉法人生活クラブが受託しています。

平成27年度から、生活困窮者自立支援制度が開始されたことから、生活に困窮している人の相談にものってくれます。

家計改善支援・・・多重債務等で家計に問題を抱える人に対し、収入と支出をかき出し家計管理ができるように相談支援や債務整理に向け、弁護士等の関係機関につなげ、生活が再生されるように支援します。

就労準備支援・・・社会との関わりに不安があったり、他人とのコミュニケーションがうまくとれないなど、直ちに就労が困難な人に、6か月から1年の間、プログラムにそって、一般就労に向けた基礎能力を養いながら、就労に向けた支援をおこなっています。

生活困窮者のための無料職業紹介・・・相談者から、できる仕事の内容や勤務可能な時間など詳しく聞き取り、企業と直接交渉や調整を行い、その人に合った仕事を探します。

この他にも、ひとりひとりに寄り添った支援をしてくれます。

行政サービスにつなげる時は、一緒に窓口まで行き、説明をしてくれたりもします。

また、電話やメールでも相談に応じてくれます。

電話・・・047-495-7111

相談は無料です。月曜日~金曜日(土日祝日は休み)9:00~17:00

メール・・・circle@kazenomura.jp

直接行っても可能ですが、混みあっている時は待たされるので、できるだけ電話やメールで予約することをお勧めします。

日中に仕事しているなど、上記の利用時間に窓口に来られない人のために、フェイスビル5階相談室で、出張相談を実施しています。(事前予約制)

原則 第3土曜日 午前9時~午後5時

第5水曜日 午後6時~午後8時

設置された当初から、初代の所長さん(女性)と知り合いになり、様々な所で、「さーくる」の取り組みを紹介する時などは、参加したものでした。

よく、「生みの親は橋本で、育ての親は所長さんですね」「一緒に育てていきましょう」と言っていたものです。

10年が経ちましたが、今、国の方では、重層的支援体制と言って、悩みが解決するように一人ひとりに寄り添い支援をしていく。どこの窓口に行っても断らない体制づくりが求められています。

今後「さーくる」の体制強化を求め、どこの窓口に行っても、丁寧に寄り添った支援ができるように求めていきます。