「オレンジリボン運動」は、「子どもの虐待防止」運動のシンボルです。
2004年、栃木県小山市で幼い兄弟が虐待の末に亡くなった事件を受け、市民団体が虐待防止の啓発のために考案されたものです。
また、昨年の1月には、野田市の女児虐待死事件があり、親による体罰禁止や児童相談所の体制強化などを定める児童福祉法等改正法が成立・施行されました。
児童虐待防止対策は、
①発生予防・早期発見
②発生時の迅速・的確な対応
③被虐待児童への自立支援
法改正を受け、関係機関の配置促進、体制強化、相互連携などの対策が講じられています。
コロナ禍、児童虐待のリスクが高まっています。
大人がイライラして、弱い立場の子どもに手をあげてしまったり、暴言を吐いたり、食事を与えない、お風呂にも入れないなど、様々なことが起こっています。
”しつけ”に名を借りた体罰を一掃するための法整備がされました。
親が子を戒めることを認める民法の「懲戒権」のあり方の見直しなど再発防止策などが求められ、体罰などを容認する根拠にされないよう施行後2年をめどにあり方が検討されることになりました。
現在、民法(親子法制)部会で調査・審議が行われており、来年末をめどに法務大臣に答申する予定です。
船橋市には、家庭児童相談室があり、0歳~18歳未満の子どもの養育や児童虐待等の相談ができます。
(児童相談所は、令和6年度の開設を目指して、準備・検討をしています。)
「家庭児童相談室」047-409-3469
体罰や暴言など辛い体験をした子どもは、脳の発達に影響を及ぼすと言われています。
10月18日(日)に開催された、子ども虐待防止学会の研修にzoomで参加をしましたが、その時にも、家庭で殴られて育った子は、学校等で嫌な事があると、殴り返す子が多いとありました。
「【心を取り戻す】~心を見つめるネットワーク形成へ~ なぜ学校園は虐待防止に重要なのか」大正大学の玉井先生による研修でした。
学校や幼稚園・保育園などの支援方法でしたので、まとめることが困難です。
虐待に至る家族システムの病理では、
①ストレス連鎖の固定化
②コミュニケーションの歪み
③世代間境界の運用の歪み
④家族外ネットワークからの孤立
夫と妻の関係から子どもが生まれる、夫と母の関係になると①のストレス連鎖が固定し、妻が子に向いてしまうと本来、子どもとの間に、③の世代間境界があるにもかかわらず、超えてしまう。
これらは全て「家族・親子」であり続けようとする求心力から生じすものである。
虐待臨床の中核は「ケア」であると言われていました。
子育てをしていると、何故泣いているのかわからず、困ってしまったり、泣き止まないからと言って、投げつけたりするのはもってのほかです。
でも、親はどうしていいのか分からなくなり、パニックになってしまいます。
親やご近所・知人などにSOSがだせるといいですね。
それが無理な時は、公的サービスや専門家による支援も時として必要です。
親が手を挙げる前に、言葉で諭すことができればいいのですが、それができずにいると、子どもに大きな影響を与えてしまいますので、どのように接したらいいのか分からない時は、相談しましょう。
体罰や暴言は、効果があるように思われがちですが、恐怖により子どもをコントロールしているだけです。
なぜ叱られたのか、子どもが理解できていない事もあります。
子どもの気持ちに寄り添いながら、子育てをしてほしいと思います。
親が孤立することも、虐待につながってしまいます。
親自身が、SOSを出し、育児ノイローゼになる前に、相談は勿論ですが、ファミリーサポート・家事代行サービス・一時預かりなどを利用しましょう。
また、市内の小学4年生から中学3年生に、学校を通じて「子ども専用相談ダイヤル」0120-087425を記載したカードを配布しています。
一人で悩まず、気軽に相談をしましょう!
カードに書かれている時間以外の時や緊急の時は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」又は警察「110」に連絡しましょう!
「189」は、通話料が無料です。
電話ではなく、LINEの方が相談しやすいという方は、命とこころの相談窓口「SNS相談@船橋」があります。
市内在住・在勤・在学であれば誰でも相談できます。
平日 17:00~21:00(受付は20:30まで)
土日祝 13:00~17:00(受付は16:30まで)