11月13日(金)に開催された「平和構築と女性」外務省平和構築対外発信特別大使で、ケンブリッジ大学中央アジア研究所上席客員教授の山中燁子さんの講演会に参加しました。
はじめに、女性は50歳からが大事。吉永小百合さん70歳、アーサン・スーチンさんも70歳、ヒラリー・クリントンさんは68歳、そして、山中さんも70歳。とか。
女性が男性社会の中で生きていくためには、①常にエレガントであれ ②けっして感情的になるな ③リベートに勝つ(実力で負けるな!)
歳を重ねても常にエレガントでありたいと思いました。と言っても、とてもエレガントな私とは思えませんが、大事な50代を、様々な方の生き方を参考に、少しでもエレガントな女性になるよう努力します。
ここまでは、前置きとして、本題に入りますが、山中さんは、「冷戦後、国際社会は大きく変化して不安定になっている」と指摘されました。
冷戦後、民族間の紛争、HIVやエボラ熱、自然災害、台風やハリケーン、地下資源の争奪戦など、国際社会は変化しています。
安全保障の面でも、サイバーテロや過激派主義者など、統制が効かず、拡散している。
アメリカの同時多発テロなど一国で防げるものではない。トンネルの出口が見えない。国際的秩序が保てなくなっている。
また、「日本は国際社会の平和構築に向けて人間の安全保障、紛争を未然に防ぐ予防外交、人材育成の分野で役割を果たせる」と語ってくれました。
人間の安全保障
①水の保障 中国は厳しい状況⇒オリンピックの時、南部から水を持ってきたため、今、水がなく困っている。南部では、農業ができない。
日本はハイレベル⇒森を作る。最初は水が必要だが、やがて森ができオアシスができる。
フランスと日本は、原発・水の技術の争奪戦。
②食の保障 日本の農業⇒柿・梨などこれほど良いものはない。しかし、自給率は低い。
③エネルギーの保障 海の下の潮流、メタンガス。
イギリス⇒新しい原発
自分の国のエネルギーを調達させることが必要。
日本⇒自前のエネルギーがない。
予防外交
①地域の信頼
②紛争・戦争の再発
③勃発の予防
人材育成⇒国連の強化
日本は、①核兵器を持たない⇒技術力、経済力があっても、持たない。
②平和構築の中核者⇒戦争で夫を亡くし、未亡人と言われた人がどれだけ苦しんできたか。第一次世界大戦で勝ち、第二次世界大戦で負け、勝ち負け両方の経験者
③我慢強さと努力の国
④宗教の自由⇒宗教間の紛争が無い。
最後に「貿易立国として、世界から受け入れられている日本が、国際社会の平和構築に関わらずに成り立つのか」と指摘しました。
日本は貿易立国。水と自然に恵まれているが、地下資源が無い。
これからは、バランスの時代
①自然保護と科学技術の進歩
②グローバルリズムと地域(地方)が大事
③集団思考と個人主義
④仕事と余暇
⑤男性と女性
⑥国益と国際益
いずれもバランスが大切
山中さんは実際にインドやパキスタンなど様々な国を訪問し、多くの女性と交流をしています。現場を知っている人の声は、難しい内容でも、心に響いてきます。
最後に2000年前のアリストテレスの言葉が印象的でしたので、ご紹介します。
【戦争よりも平和を構築する事の方が難しい。平和を構築することが大切】