共育コラム
2023年 09月 13日

船橋市議会では、議員が提出した意見書を「発議案」として、本会議場で、提案説明、発議案質疑、委員会で質疑・討論・採決、最終日に議場で、採決が行われます。

9月5日(火)に提案説明をしました。

【皆様、こんにちは。公明党の橋本和子でございます。今回は「ブラッドパッチ療法に対する適正な診療所の評価等を求める意見書」を提出させていただきます。

まず提案理由を述べる前に、御礼を申し上げます。平成27年第4回定例会において、「ブラッドパッチ療法の保険適用及び脳脊髄液減少症の治療推進を求める意見書」を提出させていただきました。この時から議場において発議案をきちんと取り扱うことになり、今のこのような形になっておりますが、初めての取組でドキドキしながら登壇したのを覚えています。

この時に多くの皆様にご賛同いただき、そして国のほうにこの意見書を提出することができ、プラットバッチ療法が保険適用になり、喜びの声が届きました。 皆様のご賛同があっての事ですので、この場をお借りして、お礼を申し上げさせていただきます。本当に、ありがとうございました。

それでは今回の意見書に対する提案説明を行わせていただきます。

今回このブラッドバッチ治療における、保険適用(J007-2 )の要件に掲げられている「起立性頭痛を有する患者に係るもの」という条件がありますが、年数がたち、長年苦しんできた方の中には、起立性頭痛を伴わない患者さんがいるため、医療の現場では混乱が生じている。

また、その後の研究で、脳脊髄液の漏出部位は1か所とは限らず、頸椎や胸椎部でも頻繁に起こることが報告されています。ここで、この頸椎や胸椎部にブラッドパッチ療法を安全に行うためには、X 線透視下で漏出部位を確認しながらの治療が必要ですが、診療上の評価がされていない現状があり、現状の診療報酬点数では、患者が増えるほど赤字になると言われております。よって、診療報酬算定の要件の注釈として、「本疾患では起立性頭痛を認めない場合がある」と加え、診療上の評価を改定するよう適切な措置を講ずるように、強く要望します。

平成28 年より保険適用となった脳脊髄液漏出症(減少症)の治療法であるブラッドパッチ療法であるが、医療現場での混乱や、適切な診療上の評価がなされないなどの現状があり、関係機関による適切な措置を講ずる必要がある。これが、この意見書案を提出する理由である。

多くの皆様のご賛同をいただけますよう、宜しくお願い致します。】

9月13日(水)発議案質疑が行われました。

Q1・・・起立性頭痛を認めない場合とは?

A1・・・ある大きな病院での数値ですが、週に15名の治療を行う中で、3分の1が小児(不登校の子もいました)、3分の1が交通事故、3分の1が不調を訴えていたが、どこへ行ってもわからなかったが、研究が進み、治療にいきついた(長期間苦しんでいた)このような中、長期間苦しんでいた人の中には、立っている時に頭痛が起こるとは限らないため、起立性頭痛を認めない場合もあるとしました。

Q2・・・X線透視下で行うと赤字になるという事だが、なぜ、診療報酬の改定としなかったのか?

A2・・・提案説明の時にもお伝えしましたが、頚椎(首)や胸椎(背中)でも、頻繁に起こることが報告されており、特に首の所は、脊椎と硬膜の間は1mm程しかなく、間違ってしまうと、硬膜を傷つけ、脊髄損傷等になってしまうため、「X線透視」が不可欠です。この「X線透視」では、麻酔科医、画像を詳しく見る放射線科医など様々な立場の医師やスタッフが必要。このような中、患者が増えるほど、今の点数では赤字になるので、治療を行いたいと思う医師はいるものの手が出せない状況なので、診療報酬の改定を望んでいる。専門医・患者会・国会議員の三者で議論を行った中で、4000点が妥当とはなったものの、現在の800点からさらに上がるため、患者の負担も増えることにもなる。

診療報酬は、国が決めるべきもので、医療費の予算が決まっている中で、こちらを上げると、他のところを下げないといけないので、点数の取り合いとなります。全体の予算を引き上げられれば良いのですが簡単にはいきません。したがって、「ブラットパッチ療法の診療報酬において、「X線透視を要件」として、漏出部位を確認しながら治療を行うことを可能にするよう、診療上の評価を改定することとしました。

Q3・・・18歳以下の子ども達もいるとのこと、啓発が必要ではないか?

Q3・・・船橋市においては、全小中学校に「子どもの脳脊髄液減少症」という冊子を1冊配布している。また、総合教育センターで、養護教諭や管理職向けの研修を行ってもらった。例えば、以前は回旋塔という遊具があったが、それで遊んでいて落ちたときに頭を打った。滑り台の上に立った時、後ろから押されて転げ落ちた。学校の廊下でふざけてて転んだ。吹奏楽でチューバを吹いた時。暴力やDVなどでも起こりうるので、多くの方に知ってもらうことが大切。また、不登校の子の中に、頭が痛い、すっきりしない、起き上がるのが困難などの子がいたら、けっして、怠けているわけではないことを知ってほしい。小中校生の1割程度が発症するとされる「起立性調整障害」(体を活発にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経をうまく調節できずに起きる病気。症状は夕方から夜にかけて回復するケースが多い。思春期前後にみられ、不登校の原因になることもあり、脳脊髄液減少症と症状が似ており、間違われやすい)夜まで頭痛が続く、横になると症状が和らぐような場合は、脳脊髄液減少症も疑う必要があり、治療につなげることで、登校できる子ども達が増える可能性があります。

この意見書を提出するにあたり、患者会の方や医師に話を聞きました。以前から関わっていたこともあり、再度確認しながら、答弁をさせていただきました。