2月25日(日)船橋市勤労市民センターで開催された環境講演会「ミクロネシアの環境から学ぶ海洋プラスチックごみ問題の行方」に参加しました。
入口ロービのパネル展示を見ていたところ、副市長とジョン フリッツ特命全権大使にお会いし、名刺交換をさせていただきました。
大使は、とても日本語が上手で、この後に行われる講演がとても楽しみとなりました。
開会挨拶で、西水副市長から、ミクロネシアと船橋市の取り組みとして、チューク州ザビエル高校の生徒が市船の学習体験やクラブ活動に参加するなどしていること、また、船橋市で役目を終えた消防車を寄付し、活用するなどの交流を深めていることが紹介されました。
ジョン フリッツ閣下の講演では、
プラスチック海洋ごみの問題は、国際的な問題で、答えが難しい。
問題が見えていても、一人では解決しない。
ミクロネシアのきれいな島々が、ごみで汚され、ごみが増えると、人々の生活が変わる。
1960年代から2020年代では、ごみの量が20倍にもなった。
ダボス会議(世界の問題解決を目指す会議体で、スイスのジュネーブに本部を置く「世界経済フォーラム」という非営利団体の年次総会で、毎年1月にスイスのリゾート地、ダボスで開催される)で、魚より海洋プラスチックの方が増えていること、リサイクル率の低さが指摘されている。
問題点は、輸入によるプラスチックで、国内のごみ問題、海から流れつくプラスチックごみ。
プラスチック製の袋(レジ袋等)は、亀などが餌と間違い食べてしまう誤飲。魚も誤飲する。
漁業だけではなく、今まできれいな海で泳ぎたいと集まっていた観光客も少なくなり、観光業にも影響がでている。
3Rを進めることが必要。
3Rとは、リデュース・・・ごみを減らすこと。
リュース・・・一度使用したものを繰り返し使うこと。
リサイクル・・・使用したものを再度資源に戻す「再資源化」を行い製品にすること。
ミクロネシアでは、自然の物だけで生活をしていたが、輸入によって、プラスチックが国に入ってきた。
プラスチックについて学んでいなかったため、埋めれば土にかえると思っていた。
このような中、プラスチック法で、1回限り使い捨ての発砲スチロールやコップ・スプーン・フォークなど輸入を禁止。
流れてくるものは、世界中での条約が必要。
ミクロネシアでは、タイヤ・ゴムからサンダルにしたり、ペットボトルのふたで、イスを作ったりし、リュース・リサイクルに取り組んでいる。
プラスチックごみが、南の島で変わる。
いくら個人が頑張っても解決しない。
グローバル企業も取り組んでいる。例えば、スターバックスやマクドナルドでは、紙のストローにしている。
日本とミクロネシアは、海でつながっている。
認識を高め、共有することが重要。
最後に、海は、私たちを結びつけるもの。次の世代につなげるには、人と人のつながり、意識が重要。海を守る事が重要。
今、住んでいるところは、地球から借りたもの。
素晴らしい地球環境を次世代に!
ジョン フリッツ特命全権大使の話は、他人事ではなく、とても身近に、分かりやすいお話でした。
その後、日本大学生産工学部 准教授(工学博士)の中村 倫明先生による、「海洋プラスチックごみ問題と船橋市の現状・対策」と題しての講演でした。
中村先生から、プラスチック1人当たりの利用量は、世界第2位と聞き、ビックリしました。中国は人口が多いのに、利用量は、さほど多くありませんでした。
川の上流から下流、海へと流れる中、プラスチックは変形し、様々な物と結びつき、重くなる、そして、海の底に溜まる。
川や海の表面のゴミであれば、ある程度わかるが、海の底はとても調べようがない。でも、思っている以上に、プラスチックごみが溜まっている。
市内の橋から調査したが、たばこの吸い殻が歩道に散乱していた。
タバコのフィルターにも、マイクロプラスチックが使われている。
これらが川に落ち、流されていくこともある。
海洋ごみの中で最も多いのが、プラスチックで、滞留期間が長く、数十年以上、100年以上も海の中にあると言われているそうです。
ウミガメや魚が、ポリ袋を餌だと間違えて食べてしまい、死んでしまうこともあり、2050年には、魚よりもごみの量が多くなる。
よく外に置いてあるプラスチック製のバケツですが、紫外線で劣化します。このように、プラスチックは紫外線により劣化すると、もろくなり粉々になります。
5mm以下の破片になったものをマイクロプラスチックと言い、サンゴに取り込まれる。海の生態系が変わってしまう。
言葉としては知っていましたが、人工的に作られたプラスチックが、自然界で分解されるには、途方もない年数が、かかるということがわかりました。
とても勉強になりました。
講演の後は、参加者からの質疑応答がありました。
高根中学校の生徒や小学生も質問。今日は、様々な年代の人が参加していました。
使い捨てプラスチックは使わないようにし、外にプラスチック製品を置きっぱなしにしないなども心掛け、強風や大雨などで、ごみが散乱しないようにするなど、出来ることから取りみます。